最近、JK(=女子高生)を中心とする若者のあいだから流行り出した……そうな相づちの一種。

 「JKを中心とする〜」からには、とても解読不可能な難解ワードかと思いきや(※実際、字面だけを見れば意味深な雰囲気をかもし出していなくもない?)……よくよく調べてみると、なんてことはない「そうだね!」「たしかに!」「それいいね!」「そのとおり!」……といった賛同の意を伝えるカジュアルな台詞の一種であるらしい。

 ちなみに、自慢じゃないが、筆者は「それな!」をもう20年ほど前から、わりと頻繁に使用しており、これが今さら流行語としてフィーチャーされていることに、今ひとつピンと来ていない。

 一度、電車のなかで大学生風の男女が会話ごとに「それな」「それな」……を連発しているのを目の当たりにしたんだが、「それな!」の「!(=ビックリマーク)」を感じさせるイントネーションの強弱、メリハリはほとんど確認できず、どちらかと言えば「それな」「それな」……と、平淡な語感の相づちっぽく、あえて例えるなら「ほう…」だとか「ふぅ〜ん…」程度の覇気がないニュアンスでしかなかった気がする。

 「JKを中心とする若者発の言葉」とするよりは、「昔からあった常用語を、若者風の使い方にアレンジした」と“解説”したほうが、より正確なのではなかろうか?
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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