「カップ焼きそば現象」とは、もとのモノから派生した食品などが、別モノとして人気を獲得する現象のことだ。桜場コハルの漫画『みなみけ』に登場する、「焼きそばを食べたい時とカップ焼きそばを食べたい時は別の時」というくだりから広まった。もとはネットスラングといえるが、いろんな事象を説明するのに便利で、リアルの場でも耳にする機会があるようだ。

 たとえば、ソーセージと魚肉ソーセージ、インドなどのカレー料理とそこから独自の進化を遂げたカレーライスなど、食の分野では「カップ焼きそば」的な関係性が語られることが多い。カニの肉を模したカニカマなどは、いまや「surimi」の名前で世界的にも有名な食品だ。インスタントラーメンの例を持ち出すまでもなく、「似せてつくった→気がついたらもはや違う美味(うま)さになっていた」は、昔から日本のお家芸といえる。

 ちなみに「カップ焼きそば現象」は、アニメなどで「キャラクターデザインがそっくりだがよく見ると違う」という意味でもよく使われる。意図的か偶然かはさしおいて、人気キャラをめざそうとすると、表現のパターンは集約されるものらしい。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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