- 項目名の見出しは、かな見出し、本見出しの順に示し、かな見出しの五十音順に配列した。
- 項目数は、一四〇四項目立項した。ほかに直送り項目一九八項目を設け、→によって送り先を示した。また、参照すべき項目がある場合は、項目の本文末尾または本文中に→をもって案内した。
- 作品の項目選定は、現代の歌舞伎の舞台に上演される機会が多い作品を中心に、演劇史上重要な意義をもっていると考えられる作品も立項した。項目名は、原則として、歌舞伎狂言・人形浄瑠璃は本名題・本外題、舞踊は便宜上通称・略称を採用した。名題の表記や訓の清濁については、初演時の辻番付、役割番付、台帳、その他もっとも信頼できる原資料にもとづいた。
作品群を一括して概観することが、研究上、鑑賞上、便であると思われるものは、〈帯引物〉〈忠臣蔵物〉など〈~物〉として立項した。
- 人名に関する項目選定は、演劇史上、重要と考えられる名跡を選んだ。
- 名跡の継承は〈世〉、家系相続は〈代〉で示した。
- 作者名は、作品制作時に名のっていた名とは限らず、もっとも通りのよい名で統一した。
[例]勝俵蔵→四世鶴屋南北
二世河竹新七→河竹黙阿弥
本文中、配役における役者名は、上演時の名を示した。
- 名跡の漢字表記は、〈現代歌舞伎俳優名鑑〉と〈歌舞伎俳優家系図〉についてのみ旧字を用い、それ以外はすべて新字に統一した。
- 年号の表記は、原則として元号のあとに西暦を( )内で示した。ただし、〈総説〉のうち〈一九八〇‐九〇年代の歌舞伎〉〈二〇〇〇‐一〇年の歌舞伎界〉の記述については、西暦を主とした。
元年は一年と表記し、改元の年は、改元された月日をもって前後を区別した。ただし、猿若座が興行を始めた寛永一年、若衆歌舞伎禁止の承応一年に関しては、広く通用しているため、例外として改元後の元号で示した。
- 〈大坂〉と〈大阪〉、〈京〉と〈京都〉、また〈役者〉と〈俳優〉は、近世と明治一年以降で使い分けた。
- 近世における座の名称の表記は、慣習にしたがい、次の方針とした。江戸は座名、京は名代名、大坂は座本名とその下に劇場名を( )内に略して記した。
- 慣例にしたがい、尺貫法を用いた場合は、( )内にメートル法で換算した数値を示した。
- 歌舞伎狂言・歌舞伎舞踊・人形浄瑠璃の作品や書名には《 》を付した。また、作品中の場や段の名称には〈 〉を付したが、記述の中に通称化して用いられている場合は《 》を付している。