(にほんりょういき)
景戒
神仏・人間・動物たちが繰り広げる奇異譚を描く日本最古の説話集
平安初期に編まれた日本最古の仏教説話集で、因果応報の説話を集める。上巻35、中巻42、下巻39の計116縁(話)からなり、ほぼ年代順に漢文体で記述する。仏の力の不思議さを示すエピソードは、後の文学に多くの影響を与えたといわれる。作者は奈良薬師寺の僧、景戒(きょうかい)。正式名称は「日本国現報(げんぽう)善悪霊異記」。「にほんれいいき」とも読む。
[平安時代(822年ごろ成立)][説話(仏教説話)]
《校注・訳者/注解》 中田祝夫
(こんじゃくものがたりしゅう)
作者未詳
1000以上の説話を載せる、仏教&世俗説話の集大成
〈今昔(いまはむかし)……〉で始まる和漢混交文で書かれた1059の説話を、1~5巻「天竺(てんじく)部」(インド)、6~10巻「震旦(しんたん)部」(中国)、11~20巻「本朝(日本)仏法部」、21~31巻「本朝世俗部」の31巻で構成。このうち本朝仏法・世俗部を収録。内容は多岐にわたり、貴賎上下も老若男女も、はては犯罪者や霊鬼・妖怪まで跳梁暗躍する。編者成立年ともに未詳。
[平安時代(1120年以降成立)][説話]
《校注・訳者/注解》 馬淵和夫 国東文麿 稲垣泰一