(まくらのそうし)
清少納言
季節感や後宮の華やかさを、きらめく感性で執筆した代表的随筆
〈春はあけぼの……〉で始まる、日本を代表するエッセイ。作者は、一条天皇の中宮定子(ていし)に仕える女房・清少納言。「をかし」の美を基調にして、人事や季節感を独創的かつ鮮やかにとらえる。「すさまじきもの」「うつくしきもの」などのものづくし(類聚章段)、後宮の日常の記録(日記的章段)、随想章段など、約300章段からなる。『源氏物語』と並ぶ王朝女流文学の傑作。
[平安時代(1001年ごろ成立)][随筆]
《校注・訳者/注解》 松尾 聰 永井和子