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流紋岩よりも無水ケイ酸(二酸化ケイ素)が少なく、アルカリが多い、アルカリ岩系列に属する火山岩。深成岩の一種である閃(せん)長岩に相当する化学組成をもつ。粗面組織(短冊形をした長石の小さい結晶がほぼ平行に配列した石基。斑晶(はんしょう)があると、石基の長石は斑晶をよけるようにうねって並ぶ)が特徴的である。アルカリのうちナトリウムだけが多いものと、ナトリウムとカリウムの両方が多いものとがある。Na2O+K2Oとして約10%含むのが普通である。構成鉱物はアルカリ長石が主で、有色鉱物の量は少ない。斑晶としてアルカリ長石(サニディン、アノーソクレース、正長石)のほかに、斜長石(灰曹長石(オリゴクレース)―曹長石(アルバイト))、石英、黒雲母(くろうんも)、アルカリ角閃(かくせん)石、エジリン、橄欖(かんらん)石、磁鉄鉱を伴う。石基はアルカリ長石(サニディン、アノーソクレース、正長石)、斜長石(灰曹長石)からなり、少量の磁鉄鉱、チタン鉄鉱、エジリンを伴うことがある。粗面岩は溶岩、まれには小さな貫入岩体としてアルカリ玄武岩に伴って産する。表面がざらざらした感触をもつのでこの名がある。岩石は淡灰色、緑色を帯びた灰色、淡桃色などを呈する。
[千葉とき子]