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ギリシア陶器の一種。混酒用の器。古代ギリシアではぶどう酒は水で割って飲むのが普通で、それを混ぜるために酒宴の卓上で用いられたもの。器形は一般に、大きな口縁部と膨らんだ胴部、水平もしくは垂直の二つの取っ手からなっているが、取っ手の形状から大別して柱形、渦巻形、萼(がく)形、ベル形に分類される。全体に器形が大きく、卓上に供せられることからいきおい装飾的になり、アンフォーラと並んでギリシアの陶画の生成発展に重要な役割を果たした。その代表的な作例に『フランソアの壺』(前570ころ、フィレンツェ考古美術館)がある。