日本大百科全書(ニッポニカ)

ラナート
らなーと
ranāt 英語

タイの鍵盤(けんばん)打楽器の総称。おもにピー・パートなどの古典音楽で用いられ、材質により次の2種に大別できる。(1)木琴 木または竹を鍵盤とするものにラナート・エク(高音域)とラナート・トゥム(低音域)がある。前者は3オクターブ21鍵を舟形の共鳴箱に、後者は17~18鍵を箱形の共鳴箱に吊(つ)るしたもので、ともに2本の桴(ばち)で奏される。(2)鉄琴 19世紀なかばに木琴のラナートを模して鉄琴のラナート・エク・レクとラナート・トゥム・レクがつくられ、新しく合奏に加えられた。レクは「鉄」の意。なお同類の木琴系の楽器は、ミャンマー(ビルマ)のパッタラー、インドネシアのガンバン、サロンなど東南アジアに広く分布している。
[川口明子]