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リップ・リード楽器(唇を発音源とする気鳴楽器)の名。トゥーバともいい、古代ローマの楽器トゥバに由来するが、今日では、円錐(えんすい)管を基本として変音弁をもつ各種の低音金管楽器の総称となっている。一般には、吹奏時にベル(朝顔形開口)が上を向くようにつくられ、マウスピースは深いカップ形が主流である。F、E♭、C、B♭の各調につくられており、F管、E♭管は吹奏楽でいう中バスと同じで、さらに低いB♭管、C管は大バスにあたる。これより1オクターブ高いB♭管やC管、つまりユーフォニウムや小バスに相当するものは、フランスの管弦楽でよく用いられる。変音弁の数は3ないし6で、ロータリー式、ピストン式ともによく用いられる。変形としてヘリコン、スーザフォンなどのように、管が奏者の身体を取り巻くようにつくり、ベルを前方に向けたものもある。