京都市東山区茶屋町(東山七条)にある博物館。1889年(明治22)図書寮(ずしょりょう)附属博物館が廃止され、帝国博物館、帝国奈良博物館とともに帝国京都博物館が設置されるに及び、1892年片山東熊(とうくま)の設計により工事に着手、1895年竣工(しゅんこう)、1897年5月1日に開館した。1900年(明治33)官制の改革により京都帝室博物館と改称されて宮内省の所管に移り、1924年(大正13)皇太子(昭和天皇)の成婚に際し京都市に下賜され、恩賜京都博物館と改称し、京都市の経営に移った。第二次世界大戦後の1952年(昭和27)文部省文化財保護委員会(文化庁の前身)の所管に移り、現在の名称に改めた。1965年、本館(明治古都館)の西側に森田慶一(1895―1983)設計による新館が完成、1966年10月より開館した。2009年(平成21)には新館の建て替えが始まり、2013年8月に谷口吉生(よしお)設計による平成知新館が完成、翌2014年9月より開館した。平成知新館は地下1階、地上3階、延べ面積1万7997平方メートルで平常展示館として使われ、明治古都館では、年数回、特別展覧会が開催されている。敷地内にはほかに、技術資料参考館や茶室「堪庵(たんあん)」などがある。展示館の正面には関口鍈太郎(えいたろう)(1896―1981)設計の庭園があり、円形の池の東側にロダンの彫刻『考える人』が置かれている。
1968年文化庁の発足と同時にその付属機関となった。なお本館と表門、同札売場および袖塀(そでべい)が「旧帝国京都博物館」として1969年に重要文化財に指定されている。所蔵品は考古美術資料のほか、彫刻、絵画、書、染織、陶磁器、工芸品など、日本をはじめ中国の名品が多く、京都の古寺の仏像、障屏(しょうへい)画などの寄託品も展示。2001年4月から独立行政法人国立博物館、2007年4月から独立行政法人国立文化財機構のなかの一つの組織となった。休館日は毎週月曜と年末年始。
2015年11月17日