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イネ科(APG分類:イネ科)の一年草。別名タワラムギ。稈(かん)は柔らかく、直立して高さ30~40センチメートル。6~9月、まばらに分枝した円錐(えんすい)花序をつけ、細い枝の先に小穂を下垂する。小穂は卵形でやや平たく、長さ1~2センチメートル、幅約1センチメートル、約10個の小花をつける。護穎(ごえい)は長さ6~8ミリメートル、瓦(かわら)状に互いに重なる。成熟すると黄白色となり、乾燥花として利用する。ヨーロッパの原産で、観賞用に栽培され、野生化もしている。名は、小穂が大形で卵形をなし、熟すと黄色くなるので、黄金の小判や麦俵に見立てたことによる。
近縁のヒメコバンソウB. minor L.はコバンソウより小形で、花序が直立し、小穂は三角状卵形、長さ、幅ともに約4ミリメートル、3~6個の小花をつける。ヨーロッパの原産で日本に帰化している。またヨーロッパ中南部原産で多年生のチュウコバンソウB. media L.は、花穂は紫色を帯び、直立する円錐花序をつくる。秋播(あきま)き一年草として扱い、9~10月に播種(はしゅ)するが、春に直播きしてもよい。性質は強く、ほとんど防寒を必要としない。