ジャパンナレッジ
学校教育法に基づき、小・中学校等に置かれる職位で、単位学校における最終的な責任者。職務は、校務をつかさどり、所属職員を監督することである(学校教育法第37条4項、中学校等にも準用)。校務には、児童・生徒の健康・安全や教育課程にかかわるものに加え、教職員の人的管理や設備管理、予算管理などが含まれる。これらは、各法令で校長職務に規定されているものと、教育委員会や教育長が校長に委任または命令したものとがある。
1990年代以降、規制緩和と地方分権による学校経営改革が進み、あらゆる教育政策文書で、「校長のリーダーシップの下」、教育活動を活性化させる必要性が言及されている。これは、学校(校長)に一定の裁量権限を与え、各校の状況に対応した自律的な教育活動を展開させる可能性を有する。一方で、校長に過度な責任を要求し、最終責任者として孤立を感じさせる危惧もある。他方で、教育関係の学界では校長の専門的力量が問い直され、校長養成や職務を支える周囲のサポートの必要性が模索されている。たとえば日本教育経営学会は2009年(平成21)に「校長の専門職基準」(2012年一部改正)を策定した。
校長の資格要件は、元来、教諭の専修免許状または一種免許状を有し、かつ5年以上教育に関する職にあったものとの規定であった。しかし、2000年の文部科学省令改正により、教員免許状を有さず、教育に関する職についた経験がない、いわゆる「民間人校長」も登用可能となった(学校教育法施行規則第22条)。