道路網の整備を図るため、道路に関して、路線の指定・認定、管理、構造、保全、費用の負担区分などに関する事項を定めた法律。昭和27年法律第180号。旧法(大正8年法律第58号)では、道路はすべて国の営造物とされたが、戦後に現行の道路法が制定され、都道府県道は都道府県の、市町村道は市町村の営造物とされ、それらの管理もそれぞれの地方公共団体の事務とされた。
道路法は、「道路」を高速自動車国道、一般国道、都道府県道、市町村道の4種類に分け、一般国道は高速自動車国道とあわせて全国的な幹線道路網を構成する道路、都道府県道は地方的な幹線道路網を構成する道路などとしている。そのうえで各道路について、路線の指定・認定、管理と管理者(国土交通大臣、都道府県、市町村)、道路の構造の基準、維持・修繕などの保全、道路管理の費用負担などに関する定めを置いている(高速自動車国道については高速自動車国道法が定めている)。
道路は、だれもが自由に使用できる(自由使用)が、道路交通法の道路使用許可のもとでの一時的な使用、道路法の道路占用許可のもとでの継続的な占用といった許可使用も認められている。道路法の道路占用許可は、電柱等の工作物、下水道管等の物件、鉄道等の施設などを設けて、継続して道路を使用することを許可するものである。この許可基準としては、「道路の敷地外に余地がないためにやむを得ないもの」である場合に限り許可を与えるという無余地性の基準が規定され、これを満たさない占用は認められない。もっとも、この基準の例外も徐々に認められるようになり、近年では広告塔・看板、カフェ・売店などによる占用も認められてきている。
また、交通状況に応じて用途を制限したり管理の特例を認めたりするために、次のような道路を指定する仕組みもある。自動車専用道路、自転車専用道路、および重要物流道路がそれであり、2020年(令和2)の道路法改正で、歩行者が安心・快適に通行・滞留できるための歩行者利便増進道路(通称「ほこみち」)の制度も設けられた。このように、道路や道路空間の機能の多様化に応じて、法改正がなされている。