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ある交通機関から別の交通機関への輸送手段の転換のこと。貨物輸送について使われることが多い。モーダルシフトのおもな目的は、輸送効率が悪く、混雑が発生し、環境負荷が大きいといわれる自動車輸送を抑制し、輸送効率が高くて環境にやさしい交通機関の利用を促進するというところにある。具体的にはトラック輸送にかわり、鉄道輸送や海上輸送への輸送手段の転換が主張され、政策的に誘導されてきている。環境負荷の低減に加えて、最近では労働力不足やいわゆる「物流2024年問題」(2024年4月の働き方改革関連法施行により適用されたトラックドライバーの時間外労働の上限規制に伴って生じるとされる問題)などを背景として、労働力への依存度が高い労働集約的なトラック輸送から、大量輸送機関である鉄道輸送や海上輸送への切り替えが求められるようになってきている。なお、旅客輸送においても、輸送効率が悪く環境負荷が大きいとされる自家用車の利用から公共交通機関への転換を進める場合に、モーダルシフトとよばれることがある。
国土交通省では、「物資の流通の効率化に関する法律」(物流効率化法。平成17年法律第85号)に基づいたモーダルシフト促進への支援などが行われている。