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マツ科(分子系統に基づく分類:マツ科)の常緑針葉高木。大きいものは高さ50メートル、直径2.5メートルにも達する。樹皮は赤褐色または黄赤褐色。老樹では厚く亀甲(きっこう)状に裂ける。葉は短枝上に2枚ずつつき針状で細長く、7~12センチメートルあり、縁辺に微細な歯牙(しが)がある。樹脂道は3~9個あり、下表皮に接して存在する特性がある。雌雄同株、4月に開花する。雄花は新枝の下部に多数つき、円筒形で帯緑淡黄色。雌花は新枝の頂に2~3個つき、紅紫色。球果は卵状円錐(えんすい)形で、長さ3~5センチメートル、径2.5~3.5センチメートルあり、翌年の10月ころ淡黄褐色に成熟する。種子は倒卵状菱(ひし)形で、種子の約3倍の翼がある。日本、朝鮮、中国東北部に広く分布し、日本の北限地は北海道苫小牧(とまこまい)市の樽前(たるまえ)山で、南限地は鹿児島県屋久(やく)島である。
天然品種にウツクシマツ(タギョウショウ)、ミツバアカマツがあり、ほかに二十数種の園芸品種がある。クロマツとの雑種アイグロマツ(アカクロマツ)は、本州、四国、九州に分布する。木は庭園、公園、盆栽、門松に常用し、松脂(まつやに)をとるのにも用いる。アカマツ林は防風、土砂止め、飛砂防止、風致林に利用する。またマツタケ林にもなる。材は帯黄淡褐色で、建築、土木、船舶、合板、パルプ、器具、楽器、包装など広く利用する。
学名の種小名densifloraは「密に花がある」という意味で、和名は幹の色による。別名メマツはオマツ(クロマツ)に比べ、柔らかく女性的な感じがすることによる。
[林 弥栄]