日本大百科全書(ニッポニカ)

国民民主党
こくみんみんしゅとう

日本の政党。2018年(平成30)5月に希望の党と民進党のそれぞれ一部が合流して発足した。略称は国民であるが、参議院では会派の略称を民主としている。綱領で「穏健保守からリベラルまでを包摂する国民が主役の改革中道政党を創(つく)ります」との理念を掲げるが、リベラル派議員の多くが立憲民主党などへ流れ、改革保守の色彩が濃い政党である。外交・防衛では、憲法解釈変更や自衛権拡大に反対であるが、現実的な安全保障政策が必要との立場をとり、日米同盟重視から日中韓を軸とするアジア重視へのシフトを標榜(ひょうぼう)している。革新的イノベーションによる経済成長、地域主権改革、2030年の原発ゼロなどを掲げ、消費増税には慎重で、政府の再配分機能の充実を訴えている。党本部は東京都千代田区永田町。発足時の所属国会議員は62人(衆議院39人、参議院23人)で、希望の党代表だった玉木雄一郎(1969― )と民進党代表だった大塚耕平(1959― )が共同代表を務めた。2018年9月に玉木雄一郎が代表となる。
 森友(もりとも)・加計(かけ)学園問題、公文書の改竄(かいざん)・隠蔽(いんぺい)問題などで安倍晋三(あべしんぞう)政権への批判が強まるなか、民進党分裂後の野党再結集を目ざし、連合(日本労働組合総連合会)が音頭(おんど)をとって結党した。希望の党の代表玉木雄一郎が一時的に設立した「国民党」が、存続政党である民進党に合流し、民進党が国民民主党へ党名変更する形をとった。しかし民進党では元首相の野田佳彦(よしひこ)、元副総理の岡田克也(かつや)(1953― )らが結党に加わらず、希望の党も元環境相の細野豪志(ごうし)(1971― )らが合流を拒み、元神奈川県知事の松沢成文(しげふみ)(1958― )らは新たに同名の希望の党を立ち上げて参加しなかった。このため希望・民進あわせて衆参107人いた所属国会議員のうち参加者は6割弱にとどまった結果、国民民主党は立憲民主党に及ばず野党第二党となった。
[矢野 武]2018年10月19日