ジャパンナレッジ
火薬、蒸気力、スプリングなどを利用して、狭い場所から航空機を発進させる装置。古代ヨーロッパで使われた武器で、石や槍(やり)を射出する弩(いしゆみ)がその起源。1920年ごろから航空機の離陸促進の方法として実用化され、第二次世界大戦前には艦船からの航空機発進に使われるようになった。第二次大戦までの主流は、航空機を台に乗せて、それを火薬や圧縮空気の力により高速で動かし、その力を借りて航空機を射出するという方式であった。しかし、艦載機のジェット化や大型化が進むと、それでは推進力・距離ともに足りず、蒸気を使うものが考案された。これがスチーム・カタパルトとよばれるもので、今日の通常型航空母艦の標準カタパルトになっている。スチーム・カタパルトは蒸気の力で高速移動するピストンを使い、シャトルを介して航空機とつけ、100メートル弱の距離を走って航空機を放出する。アメリカ海軍の航空母艦で使われているC13‐1カタパルトでは、重量35トンの艦載機を、最終的に時速256キロメートルまで加速して離陸を可能にしている。