日本大百科全書(ニッポニカ)

輸出・輸入物価指数
ゆしゅつゆにゅうぶっかしすう
Export and Import Price Index 英語

企業物価指数の基本分類指数を構成する指数の一つ。輸出品および輸入品(ともに中古品および再輸出品を除く)を対象とした物価指数である。日本銀行が算出し、毎月公表している。原則として、輸出品は通関段階における船積み時点のFOB(本船渡し価格建て)価格を、輸入品は通関段階における荷降ろし時点のCIF(到着価格建て)価格を調査し、指数の算出にはラスパイレス指数の考え方が用いられている。
 円ベースの指数と契約通貨ベースの指数が算出・公表されている。円ベース指数は、日本企業が直面する物価指数であるが、契約通貨が外貨建ての価格については円換算されるため、為替(かわせ)変動の影響を大きく受ける。一方、契約通貨ベースの指数は、為替変動を除くことができるため、国内企業の海外における短期の価格設定行動の変化(為替変動に伴う価格転嫁等)を把握することができる。なお、いずれも消費税、輸入品については関税も含んでいない。
 2015年(平成27)基準の支出割合(ウェイト)は、2015年の財務省の「貿易統計」における輸出・輸入金額を用いている。算出に用いられている品目数は、輸出物価指数が209品目、輸入物価指数が258品目である。
 輸出・輸入物価指数の前身である輸出入物価指数は、卸売物価指数とは独立した指数体系として公表されていた。それが卸売物価指数の1980年(昭和55)基準への改定で、従来の卸売物価指数の輸出品・輸入品指数と統合することで、卸売物価指数に体系づけられた。2000年基準改定で卸売物価指数の名称が企業物価指数に変更され、現在に至っている。
 輸出・輸入物価指数と類似のものに、財務省によって算定されている輸出・輸入価格指数がある(毎月公表)。こちらは税関に提出された通関上の申告書等、いわゆる通関統計を資料として作成されるもので、指数の算出は、通関ベースの輸出入金額を数量で割って平均価格を求め、それを用いてフィッシャー指数の考え方によって算出されている。
[飯塚信夫]2019年2月18日