日本大百科全書(ニッポニカ)

家計消費状況調査
かけいしょうひじょうきょうちょうさ
Survey of Household Economy 英語

「家計調査」を補完し、ICT(情報通信技術)関連の消費やインターネットを利用した購入状況、購入頻度が少ない高額商品・サービスの消費等の実態を安定的にとらえることを目的に行われる調査。総務省統計局により毎月実施され、調査結果は月次、四半期、年ごとに集計・公表されている。国内総生産(GDP)の推計などにも用いられている。
 調査対象は、「家計調査」の約3倍の、3万世帯である。施設等の世帯を除いた全国の世帯を対象として、層化2段抽出法によって選んでいる。具体的には、第1段階では、全国を地方別都市階級別に層化し、合計3000の調査地点を抽出する。第2段階では調査地点ごとに10世帯(うち1世帯は単身世帯)を無作為に選んでいる。
 調査は、対象世帯が調査票に回答を記入する形で行われるが、オンライン回答も可能となっている。調査項目は、(1)世帯の状況に関する事項、(2)毎月の特定消費等に関する事項の二つである。前者では、世帯人数や過去1年間の税込み収入のほか、電子マネーの利用状況、インターネットを利用した購入状況も調査している。後者では、家計調査の補完としての41品目を調査している。これは、購入頻度が少ない高額商品・サービス等の実態をとらえるための調査であり、具体的には、家計調査の結果を用いて、1購入頻度当り支出金額が3万円以上で、購入頻度が年間1世帯当り1回未満の品目と年間消費支出に占める割合が0.01%以上の品目について選定している。選定された品目とかかわりの深い品目や、GDPの推計に必要な品目も調査している。このほか、ICT関連消費の9品目の購入状況や、インターネットを利用した商品・サービスの購入金額の内訳を調査している。
 家計消費状況調査は、家計調査を補完するために2001年(平成13)10月から始まった。毎月の購入頻度が少ない自動車などの耐久消費財は、調査対象が9000世帯弱と少ない家計調査では結果が安定せず、また、2000年前後から急拡大を始めたICT関連消費の把握も急務と考えられたためである。2002年5月から結果の公表が始まり、2008年1月からは電子マネー等関連の利用状況の調査が始まった。なお、2016年12月まで支出総額の調査が行われていたが、この調査は世帯すべての消費支出を記録しなければならず、調査世帯の負担が大きかったことから廃止されることとなった。
[飯塚信夫]2019年3月20日