個人消費の動向や現状を把握するために日本銀行が毎月算出している指数。日本銀行の調査研究の一環として公表されている。同様の指数に内閣府の消費総合指数があるが、この指数が需要側と供給側の消費関連統計を統合しているのに対し、日本銀行の消費活動指数は供給側の統計で作成しているという点で違いがある。日本銀行は、国内総生産(GDP)統計の年次推計(速報ではなく)における個人消費の動きを早く知ることができるデータであると説明している。
消費活動指数は、2016年(平成28)5月から算出が始まった。耐久消費財、非耐久消費財、サービスの3形態別に、各種の販売・供給統計をもとに指数をまず作成する。そのうえで、GDP推計における各財・サービスの購入割合(ウェイト)を用いて三つの指数を統合し、消費活動指数としている。販売・供給統計としては、たとえば、耐久消費財では業界統計の自動車販売と、商業動態統計調査の家電販売のデータが算出に用いられている。なお、この消費活動指数には、2010年代なかば以降増加している外国人観光客の消費(インバウンド消費)が含まれている。そのため、「消費活動指数(旅行収支調整済)」として、国際収支統計を用いてインバウンド消費を差し引き、日本人の外国での消費(アウトバウンド消費)を加えた、GDPの個人消費と概念をあわせた指数も公表した。
2016年10月の改定では、出入国者数の統計を用いて「消費活動指数(旅行収支調整済)」の公表を早めたほか、形態別の消費額についても定期的な公表を始めた。この形態別の消費額の動きを観察できるのは、内閣府の消費総合指数にはない強みともいえる。
2018年4月には、GDP統計の算出の基準が新しい2008SNA(2008年に制定された国民経済計算:SNAに関する国際基準)に移行したことにあわせて、消費活動指数の算出方法を変更している。
2019年3月20日