日本大百科全書(ニッポニカ)

全国消費実態調査
ぜんこくしょうひじったいちょうさ
National Survey of Family Income and Expenditure 英語

統計法に基づく基幹統計の一つである「全国消費実態統計」を作成するために行われる調査。1959年(昭和34)に始まり、総務省統計局が5年に一度、調査を実施している。家計の収支および貯蓄・負債、耐久消費財、住宅・宅地などの家計資産を総合的に調査し、全国および地域別の世帯の消費・所得・資産に係る水準、構造、分布などを明らかにすることを目的とした調査である。
 家計の収支を調査するものとしては家計調査も存在するが、家計調査は対象が約9000世帯と少なく、詳細な構造分析を行えない。全国消費実態調査では調査対象の世帯数を大きくすることで、これを可能にしている。
 2014年(平成26)調査では、約5万6400世帯(うち単身世帯約4700世帯)について実施した。調査対象は、世帯人員が2人以上の世帯と単身世帯に分けて選定。2人以上の世帯は、市については、2014年1月1日時点のすべての市(791市。東京都区部は1市とみなす)、町村については、同日時点の929町村から212町村を選定した。この調査市町村から4696の調査単位区を選定し、各単位区から11世帯を選定している。単身世帯については、2人以上の世帯の調査単位区から、それぞれ1世帯ずつ選定した。
 調査は2014年9~11月の3か月について行われた(一部の項目は11月のみ、また、単身世帯は10月から11月の2か月)。調査項目は、(1)家計上の収入と支出に関する事項、(2)品物の購入地域に関する事項、(3)品物の購入先(スーパー、コンビニエンス・ストア、インターネット通信販売など)に関する事項、(4)主要耐久消費財等に関する事項、(5)年間収入及び貯蓄・借入金残高に関する事項、(6)世帯及び世帯員に関する事項、(7)現住居及び現住居以外の住宅・宅地に関する事項、の7項目である。なお、育児・介護と所得・消費に関する実態を詳細に把握するため、世帯員単位に育児休業の取得状況や介護の状況を、また自然災害による被災と資産・消費の関係を把握するため、罹災(りさい)証明書の取得状況などを新たに調査した。
 調査開始以来、家計消費は増え続けてきたが、2009年調査では長引く不況の影響で2人以上の世帯の消費支出が初めて減少に転じた。1999年(平成11)調査ではパソコンや携帯電話などが急速に普及したが、2009年調査では自動車の世帯当りの所有台数が初めて減少したことが示された。
 2014年の結果によると、世帯人員2人以上の世帯では、「食料」「光熱・水道」「通信」の割合が10年前に比べて高まっている。調理食品や外食への支出が増えたこと、東日本大震災(2011)の影響により電気代が高くなったこと、スマートフォンの普及により通信費が高くなったことが影響している。耐久消費財の所有状況では、高効率給湯器、空気清浄機、ベッド・ソファーベッドなどの普及率が上昇している。一方で、大都市とその近郊で自動車の世帯当り所有数量が減っている。このように、全国消費実態調査は国民の暮らしぶりを如実に映し出すことで知られている。
[飯塚信夫]2019年3月20日