類語グループを代表する見出し語のことです。 個々の類語見出し(⑧)と区別するために、「親見出し」と呼びます。 約1,300収録しています。
親見出しは品詞ごとに立てられています。 同じ綴りで名詞や動詞、あるいは名詞や形容詞など複数の品詞がある場合は、別々に親見出しを立てています。
品詞は以下のような記号で表示しています。
名 | 名詞 |
動 | 動詞 |
形 | 形容詞 |
副 | 副詞 |
前 | 前置詞 |
限定詞 | 限定詞 例:last, first |
略 | 略語 |
連結動詞 | 連結動詞 例:become, seem |
句動詞 | 句動詞 例:bring sb up, deal with sb/sth, depend on/upon sth |
イディオム | イディオム 例:lose your temper |
フレーズ | フレーズ 例:in operation, put a figure on sth |
連結形 | 連結形 例:ex- |
類語グループとは、ある共通する意味によって集められた類語のまとまりのことです。 各類語は、使用頻度の高いものから順に並んでいます。 したがって、最もよく使われる最初の類語がグループを代表する親見出しになっています。
happy のように、親見出しと類語グループが一対一の対応をすることが多いのですが、例えば choice のように、一つの親見出しに対して二つ以上の類語グループに分かれているものもあります。 その場合は 1、2、3......のように番号を付けて区別しています。 したがって、親見出し約1,300に対して類語グループは約1,500を数えます。
類語グループ(③)に属する類語がどのような意味によって集められているのか、その意味の定義を提示します。
日本語版で独自に設けた【類語訳】は、類語グループの意味の定義(④)から導き出される日本語の言葉、いわば日本語の類語に相当し、個々の類語見出しで挙げた訳語(⑧)以外のものも採録しています。
【類語訳】は、日本語から引くために設けた日本語類語一覧に登録されており、調べたい言葉に近い類語訳を検索することによって、その類語訳のある親見出しにたどり着くことができます。
類語グループ内の各類語は、ある共通する意味によって集められていますが、各類語が相対的にどのような意味の強弱の関係にあるかをスケールで視覚的に表示したのが「類語スケール」です。ネイティブスピーカーではない日本人読者にとっては非常に興味深い情報だと言えます。強さの度合いは右側に行くほど増します。全部で123の「類語スケール」を収録しています。
例えば、親見出し happy 形では「うれしい,幸福な,喜ばしい,......」といった意味の類語が扱われますが、happy が中程度の強さで、satisfied はやや控えめ、joyful や blissful が最も喜びの度合いが強いことがわかります。joyful に「喜びにあふれた,嬉々とした;......」、blissful には「至福の;幸福に満ちあふれた」という訳語が与えられていることもうなずけます。
また、このような類語スケールが示されているのは形容詞ばかりとは限りません。動詞や名詞でも、意味の強弱に関わりのある場合には、類語スケールが示されています。
共通の意味を持つ類語同士は、文型や構文、あるいは語と語の結び付き(コロケーション)においてもある程度の共通性が見られますが、ここではその特徴的なものが提示されています。 スラッシュ(/)は前後の語を入れ替えることができることを表します。
結び付きの強い前置詞や名詞、副詞などは太字で示されています。また、文型や結び付きに応じて、使える類語が異なることがわかります。
それぞれの類語はここで、訳語、用例(⑨)、注記(⑪)などによって詳しく記述されます。類語の意味は説明的な定義ではなく訳語が与えられています。親見出し atmosphere の各類語のように、「雰囲気」という訳語だけでは微妙な違いが区別できない場合は、「どのような」雰囲気なのかが( )で明示されています。さらに、[C] [U] による可算・不可算名詞の区別や、《英》《米》による英用法と米用法の違い、《フォーマル》《インフォーマル》による使用場面の指示など、用法上の違いにも細かく配慮しています。
用例には日常会話や新聞・雑誌などに掲載された実際の英文が採用されています。用例中で類語見出しがどのように使われているかわかるよう、該当箇所をイタリック体で示しています。太字のイタリック体は、特徴的な結び付きの連語です。ほとんどの類語で、2つ以上の豊富な用例が与えられていますので、さまざまな使用例が確認できます。用例は26,000余を収録しています。
◆ は派生語のしるしです。派生語とは、接尾辞などによって別の品詞になったものです。例えば、形容詞 quick の場合は、◆ quickly 副 が派生語です。派生語の訳語は、元の語から類推できるため省いていますが、ほとんどの派生語には用例が与えられています。
注記 が目印の注記では、意味や用法に関する説明の補足や、用例、反意語などについてもさまざまな追加情報が提供されています。用例を挙げながら具体的でわかりやすい説明をしたり、×印を付けて誤った表現例(⑬)も挙げて、注意を喚起していることもあります。
ノート欄は、類語同士を比較対照することによって浮かび上がる、ニュアンスの違いや用い方の注意点などについて詳しく解説しているコラムです。注記 注記と同様、用例や誤った表現例(⑬)も収録しています。
注記 注記(⑪)や使い分けのコラム ノート(⑫)では、間違った表現、いわゆる非文情報を掲載しています。間違いやすい表現にも注意を向けることによって、正しい表現がはっきりする場合も少なくありません。使ってはいけない表現なので、×印を付けて区別するとともに、あえて日本語訳は省いています。
参照項目 は参照のしるしです。例えば、参照項目 INCOME は、親見出し income を参照せよということを表しています。 この辞典での約束事ですが、スモールキャピタルの書体(例:INCOME)は、親見出しを表し、そこを参照せよという意味です。
また、例えば luck の 参照項目 lucky (TIMELY) の場合は、スモールキャピタルの TIMELY は親見出しを表しているので、親見出し timely の類語見出し lucky を参照せよという意味になります。
一方、反意は対をなす反対の意味の語、つまり「反意語」を表します。 evening の 反意 morning の例では、morning が evening の反意語であることが示されています。 ここではただ反意語が提示されているだけですが、relaxed の 反意 nervous (WORRIED) の例では、nervous が反意語であることが示され、さらに参照項目の場合と同様、親見出し worried の類語見出し nervous を参照せよということが表されています。
happy の 反意 sad, unhappy (UNHAPPY 1), unhappy (UNHAPPY 2) では、sad と unhappy が反意語です。 sad と unhappy は親見出し unhappy の1の類語グループで、もう一つの unhappy は親見出し unhappy の2の類語グループで、それぞれ該当類語見出しがあるので、参照せよということになります。
また、land の 参照項目 land (COUNTRY 2), land (SOIL) では同じ land の類語が別の親見出し country 2 と soil の2か所で扱われていることがわかります。 country 2 の land は「田舎,田園,地方,......」、soil の land は「(特定の種類の)土地」と言う訳語が与えられています。 このように同じ類語が別のグループで扱われている場合は、グループ相互の意味の違いに注目してください。
《英》 | イギリス用法、英用法 |
《米》 | アメリカ用法、米用法 |
《フォーマル》 | 改まった言葉で、日常会話にはなじまない |
《ややフォーマル》 | やや改まってはいるが、普通の状況で使うことができる |
《インフォーマル》 | くだけた言葉で、友達同士や改まらない場面で使われる |
《ややインフォーマル》 | インフォーマルほどではないが、ややくだけた言葉 |
《俗語》 | 非常にくだけた言葉 |
《話し言葉》 | インフォーマルな表現と重なる場合が多いが、フォーマルな状況で用いられるものもある |
《書き言葉》 | 文章表現で用いられる言葉 |
《文語》 | もっぱら文学や創作で用いられる言葉 |
《古風》 | 古風な言葉 |
《専門語》 | ある専門分野で用いられる言葉 |
《ほめて》 | 好ましい意味合いで用いられる言葉 |
《けなして》 | 不快に感じる言葉 |
《おどけて》 | おどけた、おかしみのある表現 |
《皮肉で》 | 字義とは反対あるいは異なる意味となる表現 |
《比喩的》 | 比喩的な言葉 |
《侮蔑的》 | 侮蔑的な言葉 |
《卑語》 | 下品でタブーとされる言葉 |
《医学》 《音楽》 《化学》 《金融》 《経済》 《コンピューター》 《ジャーナリズム》 《宗教》 《心理》 《スポーツ》 《政治》 《生物》 《ビジネス》 《物理》 《文法》 《法律》
[C] | 可算名詞:単数形と複数形がある。 単数のときはふつう a, the, each などの限定詞が付く。 複数のときは限定詞が付く場合も付かない場合もある。 |
[U] | 不可算名詞:複数形にはならない。 限定詞は付く場合も付かない場合もある。 *場合によって可算名詞として、あるいは不可算名詞として用いられるものは、[C,U] [U,C] と表示している。 |
[複数で] | 常に複数形で用いられる名詞 |
[単数で] | 常に単数形で用いられる名詞 |
[単数+単数・複数動詞] [C+単数・複数動詞] [U+単数・複数動詞] | 《英》で、グループや組織を表すいわゆる集合名詞の中で、単数形または不可算名詞でありながら動詞が複数形で受ける場合がある名詞です。 英和辞典ではふつう、《単数・複数扱い》と表示されているものです。《米》では、これらの名詞は単数形であれば動詞も単数形で受けることになっています。*本書では、このような名詞の用例については原則として、《英》《米》のどちらでも許容されるよう、動詞は単数形を取る形にしています。 |
[複数扱い] | 語形は単数形だが複数として扱われる名詞 |
[自] | 自動詞 |
[他] | 他動詞 |
[名詞の前で] [ふつう名詞の前で] | 名詞の前に置かれて名詞を修飾する形容詞 |
[名詞の前では用いない] [名詞の前はまれ] | 名詞を修飾するのではなく、動詞の補語として用いられる形容詞 |
sb | (=somebody)「人」を表す。 |
sth | (=something)「物、物事、事柄」を表す。 |
your | 親見出し、類語見出し、「文型&コロケーション」および句例では、your は「人の」の意味で用いられる。英和辞典などではふつう one's が用いられることが多い。 |
( ) | 丸かっこは、補足や注記など幅広く使われますが、特に訳語では「省略可能」の意味で用いられます。
例:推薦(文)→「推薦」と「推薦文」の2つを同時に表しています。
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[ ] | 直前の語句と交換可能を表す。
例:却下[棄却]する→「却下する」と「棄却する」の2つを表しています。
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/ | / の前後の語句との交換可能を表す。 特に文型&コロケーション欄と用例中で(文例でなく)句例の場合に使用されます。
例:to adjust/modify/revise your ideas は adjust, modify, revise をそれぞれ入れ替えて to adjust your ideas, to modify your ideas, to revise your ideas のように3つの句が表されています。
to turn blue/red/white の場合は、blue と red と white を入れ替えて使うことができることを表しています。 (青く/赤く/白くなる)のように用例訳にも対応しています。 |
◆ | 派生語を示す→⑩ |
注記 | 注記を示す→⑪ |
ノート | 使い分けのコラムを示す→⑫ |
× | 誤った表現であることを示す→⑬ |
反意 | 反意語を示す→⑭ |
参照項目 | 参照項目を示す→⑭ |
日本語類語一覧は、日本語からも検索して自在に活用できるよう日本語版で独自に設けた日本語索引です。検索キーワードは類語訳(⑤)で、類語訳を介して親見出しが参照できるようになっています。
例えば「親切な」を見ると、親切な FRIENDLY 1, KIND 形, POLITE と出ています。 スモールキャピタルの英字で親見出しが示されているので、親見出し friendly 1 を見ると、warm, pleasant, welcoming, ......といった類語が調べられます。
また、【類語訳】にある「気さくな」「感じのよい」「愛想のよい」......なども一覧に含まれているので、これらの語でも同様に friendly 1 の親見出しが参照できます。
※ジャパンナレッジ・ジャパンナレッジSchoolでは、「日本語類語一覧」ページを収録しています。索引語に対応する親見出にはリンクがついていますので、クリックすることで親見出しが参照できます。また、親見出しの本文画面では、親見出しの上に「日本語類語一覧」へのリンクがありますので、他の索引語も一覧からすぐに調べられます。