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  10. 源氏物語絵巻

源氏物語絵巻

ジャパンナレッジで閲覧できる『源氏物語絵巻』の日本大百科全書・世界大百科事典・国史大辞典のサンプルページ

日本大百科全書(ニッポニカ)

源氏物語絵巻
げんじものがたりえまき

絵巻。愛知・徳川美術館ならびに東京・五島 (ごとう)美術館蔵。いずれも国宝。紫式部の『源氏物語』を題材としたもので、徳川本はもと3巻、五島本はもと1巻の巻物であったが、現在はいずれも各段ごと詞 (ことば)と絵とを離して、額装(徳川本43面、五島本13面)に改められている。徳川本は「蓬生 (よもぎう)」「関屋 (せきや)」「絵合 (えあわせ)」「柏木 (かしわぎ)」「横笛 (よこぶえ)」「竹河 (たけかわ)」「橋姫 (はしひめ)」「早蕨 (さわらび)」「宿木 (やどりぎ)」「東屋 (あずまや)」などの巻から抜粋した詞16段(28面)と絵15図を、五島本は「鈴虫 (すずむし)」「夕霧 (ゆうぎり)」「御法 (みのり)」の巻から抜粋した詞4段(9面)と絵4図とを伝える。このほかにも「末摘花 (すえつむはな)」「松風 (まつかぜ)」「薄雲 (うすぐも)」「少女 (おとめ)」「蛍 (ほたる)」の巻の詞の断片が諸家に伝存。あわせて源氏54帖 (じょう)のうち18帖、詞25段、絵19図が残っていることになる。なお近年、東京国立博物館の「若紫」図も本絵巻の断簡との説が出ている。現存諸巻の配列関係の状態から推定して、この絵巻は54帖の各巻のなかから数段ずつの場面を選んで構成し、全体ではおよそ10巻程度の作品であったとみられる。詞は『源氏物語』の本文のなかから絵画化にふさわしいと思える箇所を抜き出し、流麗な仮名文字で書かれる。その書風は5種に分類され、5人の手になったとみられるが、いずれも平安書道の名筆に価し、ことに「柏木」「御法」などの詞書にみられる散らし書きや重ね書きの美しさは、仮名の造形美の極致を示すものといえる。詞をしるした料紙は金銀の砂子をまき、野毛や切箔 (きりはく)を散らし、あるいは描き文様を施すなど、装飾の善美が尽くされている。

 絵は「作り絵」の画風で描かれ、濃麗な色彩を重ねた典雅で優艶 (ゆうえん)な画面は、一種の装飾画的な趣 (おもむき)をたたえる。絵巻の大半を占める屋内の描写には「吹抜屋台 (ふきぬきやたい)」の手法が用いられる。これは寝殿造 (しんでんづくり)の屋台から屋根や天井を取り去り、斜め上方から室内を見下ろす俯瞰 (ふかん)的な構図法で、『源氏物語』のような王朝貴族の室内生活を中心とした物語の絵画化には最適な手法といえる。人物は、当時貴族の顔貌 (がんぼう)表現の典型である「引目鈎鼻 (ひきめかぎはな)」によって表される。目に細い一線を引き、鼻は「く」の字形に描かれ、唇に朱を点ずる類型的描写で、個性、表情に乏しいが、かえって静謐 (せいひつ)な画面を生んで限りない情趣を漂わせる。絵は藤原隆能 (たかよし)(12世紀中ごろの宮廷絵師)と伝えられるが確証はなく、画風からみてやはり数人ないし数グループの制作が想定できる。

[村重 寧]



『源氏物語絵巻』(東屋〈一〉)[百科マルチメディア]
『源氏物語絵巻』(東屋〈一〉)[百科マルチメディア]

中の君は妹浮舟(うきふね)を不憫(ふびん)に思い、自室に呼び、絵物語を見せて慰める。中の君は侍女に髪を梳(くしけず)らせ、浮舟は侍女右近(うこん)に物語を読ませ、自分は別の絵をめくっている。写国立国会図書館所蔵


『源氏物語絵巻』(柏木〈一〉)[百科マルチメディア]
『源氏物語絵巻』(柏木〈一〉)[百科マルチメディア]

僧形の朱雀院(すざくいん)は愛娘女三の宮(おんなさんのみや)を案じ、六条院を訪れる。柏木との不倫に悩む女三の宮は出家したいと父にすがる。源氏も妻女三の宮とのすれ違いの宿世(すくせ)に悲しむ。苦悩する3人の想いを、不統一に置かれた几帳(きちょう)の線によって象徴的に表現する。写国立国会図書館所蔵


世界大百科事典

源氏物語絵巻
げんじものがたりえまき

平安時代の代表的絵巻物の一つ。《源氏物語》の絵画化,すなわち源氏絵は,物語成立後まもなくはじめられ,中世・近世を通じて愛好された。そのなかで現存する最古の作品が徳川黎明会(尾張徳川家伝来)と五島美術館(阿波蜂須賀家伝来)に分蔵されている《源氏物語絵巻》である。この徳川・五島本は,《源氏物語》54帖中,〈蓬生(よもぎう)〉から〈東屋〉までの12帖,19場面の絵と詞書20段から成り,現在は額装に仕立てられている。そのほかに詞書の断簡が9種類,加えて近年〈若紫〉の1図の存在が明らかになった。この絵巻は,《源氏物語》54帖のそれぞれから1~3場面を選んで絵画化し,対応する本文の1節を金銀箔を散らした料紙に書写して,詞と絵を交互に継いだいわゆる段落式の構成になり,当初は80~90段,全10巻ほどの規模であったと推定されている。このうち徳川本の〈柏木〉〈横笛〉の帖と五島本の〈鈴虫〉〈夕霧〉〈御法(みのり)〉の帖,合わせて5帖8段は当初の1巻分に相当すると考えられる。この1巻は詞書,絵とも古典的な造形美を見せて現存諸段の中心をなすとともに,内容的にも重要である。すなわち〈柏木〉〈鈴虫〉〈御法〉の6場面は,晩年の光源氏の宿命的な悲劇を描く物語のクライマックスの部分にあたり,そのなかからドラマティックな場面を選び,また〈横笛〉〈夕霧〉の2場面は副次的なエピソードとするなど,当初の場面選択の意識,構成法を知ることができる。画家は登場人物の複雑な心理や情趣深い背景をいかに造形化するかに意を尽くし,粗い下描線で図取りした上を顔料で厚く塗り込め,最後に細く鋭い線で描きおこす作絵(つくりえ)の技法を最大限に活用している。画面の緻密に計算された有機的構図が各場面の詩的な情趣を象徴的に表現するとともに,引目鉤鼻(ひきめかぎばな)と呼ばれる類型化した面貌描写も,実際には細緊な筆線を引き重ねることによって人物の微妙な心理を表出しえている。絵の作者は12世紀中期に活躍した宮廷画家藤原隆能(たかよし)と伝えられ,この絵巻も隆能源氏として親しまれてきた。しかし,詞書の書風が4~5種に分かれているように,画風も表現技法の点から,〈柏木〉から〈御法〉までの1巻を頂点として大きく4グループほどに分類され,おそらく12世紀前半,白河・鳥羽の院政期に優れた宮廷画家たちを中心に分担制作されたものと思われる。
[田口 栄一]

[索引語]
源氏絵 作絵 引目鉤鼻 藤原隆能 隆能源氏


国史大辞典

源氏物語絵巻
げんじものがたりえまき
『源氏物語』の各帖から興味深い場面を抜き出してこれを絵画化し、本文の一部を詞書として添えた絵巻。『源氏物語』の絵画化は、原典の成立後間もなく始められたと思われ、以後各時代を通じ「源氏絵」として盛んに制作、愛好された。しかし現存の作例として最も古く、また芸術的に重要なものは、徳川黎明会と五島美術館に分蔵される『源氏物語絵巻』(ともに国宝)である。これは現在十九の画面、すなわち蓬生・関屋・柏木(三段)・横笛・鈴虫(二段)・夕霧・御法・竹河(二段)・橋姫・早蕨・宿木(三段)・東屋(二段)の各場面が対応する詞書とともに残っており、さらに若紫の一画面が断簡として東京国立博物館に保存されていることが判明した。また画面は失われ、詞書の一部のみが残ったものとしては、絵合の一紙が徳川黎明会所蔵の分に含まれるほか、二行から十三行の断簡八種(若紫・末摘花・松風・薄雲・乙女・蛍・常夏・柏木)が古筆手鑑などに貼られて伝えられた。これら現存部分のうち光源氏の晩年を描いた柏木から御法までの八段は原初の一巻がほぼ完全に残ったものと思われる。これにより最初の構成を推定すると、『源氏物語』五十四帖のおのおのから一場面ないし三場面が選び出され、全体で八十~九十段が十巻か十二巻の絵巻に作られていたと考えられる。また詞書の書風は断簡の部分を含め五種類に分類し得るが、その配置から見ると同一筆者がほぼ二巻ずつを分担したらしく、絵画の表現技法や場面の抽出方法の異同・変化もほぼこの分類に対応している。この事実を当時の歴史的事情につなぎ合わせると次のような制作過程が推定される。すなわち院・女院など高貴の人物によって源氏物語絵巻が企画され、命を受けた教養ある貴族たちが一、二巻ずつを分担して必要な場面を選び、それぞれ好みの画家と書家とに制作させて呈出し、でき映えを競ったものであろう。制作に参加した画家や書家について具体的な人名を推定することは、現在の資料からは難しい(かつては絵師藤原隆能や書家藤原伊房などの名が付会されたが、江戸時代の鑑定にすぎず実証性を欠いている)。しかし制作の時期は後述する画法上の特色から見て白河・鳥羽の院政時代にあたる保安―保延年間(一一二〇―四一)ごろと考えられる。原形を存する十九の画面は一紙一図で完結しており、大きさも幅一尺六寸(約四八センチ)前後のもの十三図、一尺三寸(約三九センチ)のもの六図と一定している(縦は七寸二分(約二二センチ)前後)。各場面はこうした枠の中に一つの情景を緻密に組み入れて構成されるが、『源氏物語』の内容自体は当時の貴族男女にとって必須の教養となっていたので、情景選択の重点は、物語のすじの展開よりは人物相互の心理の綾や和歌を媒介とした詩的情趣の表現に置かれている。したがって十九場面のうち十八までが屋内あるいは前庭に臨む殿舎の一隅であり、屋内の情景を充分に表現するため建物の屋根や天井を取り去り、斜め上から覗き込んだ吹抜屋台(ふきぬきやたい)と呼ばれる特殊な構図法が用いられている。そこでは柱・長押・簀子・縁・勾欄などの縦横斜めに交錯する直線が構図の基本を作り、几帳・屏風などの調度類の配置がさらに細かい変化を与える。その間に緊密に嵌め込まれた諸人物は、わずかな身のこなしや姿態の変化によって微妙な感情を表現しようとする。こうした画面構成法に対応するのが、いわゆる引目鈎鼻(ひきめかぎはな)の顔貌表現である。すなわち男女いずれの顔も、斜め正面か、やや後ろからの横顔、または小さな真後の姿と、三種類の扱いに限られており、さらにほとんど一線と見える目、短い鈎形の鼻、小さな赤い点による口など、極度に類型化されているように見える。しかし、絵巻を仔細に観察すると、目鼻の線描はさらに細い多くの線の引き重ねからなっており、そのわずかな抑揚のつけ方によって主要人物の性格や感情なども描き分けられていることがわかる。また画法の面から見ると、この絵巻は最初の墨描きによる下図を厚い岩絵具で完全に塗り隠し、彩色の過程でも構図を適宜変更しながら次第に決定的な細部の文様や顔貌を描き上げている。これは当時の文献に作絵(つくりえ)と呼ばれたものにあたる。もとよりこうした表現は、すでに平安時代中期(十一世紀)に達成された物語絵の特色であり、その伝統を濃厚に保持している点に、院政時代前期(十二世紀前半)というこの絵巻の制作時期の特質が認められる。もとより『源氏物語』の絵画化はその後も機会あるごとに続けられた。現存のものでそれと確認できるのは、鎌倉時代中期の「浮舟」冊子本の白描挿図五画面(徳川黎明会・大和文華館蔵)や、鎌倉時代末の絵巻残巻(若紫・末摘花・澪標、天理図書館・メトロポリタン美術館蔵)などがあり、室町時代以後には、白描の小型絵巻による源氏絵や源氏歌合絵のほか、土佐派の画家たちを中心として細密画の源氏絵が扇面や色紙に盛んに描かれだし、そこで定形化された図様が近世諸派の各種の源氏絵(色紙画帖・屏風絵・工芸品装飾など)に引き継がれていった。『(新修)日本絵巻物全集』二、『日本絵巻大成』一所収。→源氏絵(げんじえ)
[参考文献]
秋山光和『平安時代世俗画の研究』、同『王朝絵画の誕生』(『中公新書』一七三)、同「『源氏物語絵巻』若紫図断簡の原形確認」(『国華』一〇一一)、同編『源氏絵』(至文堂『日本の美術』一一九)
(秋山 光和)
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1. 源氏物語絵巻画像
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6. 源氏物語絵巻(著作ID:172189)
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げんじものがたりえまき 源氏絵詞 源氏絵巻 絵巻 
7. 源氏物語絵巻(著作ID:4379858)
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げんじものがたりえまき 浮田一蕙(うきたいっけい) 画 絵巻 
8. 絵巻物にみえる冠の纓[図版]画像
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直衣布袴 冬の烏帽子直衣 華文綾の直衣 夏の冠直衣 引直衣 浮線綾の直衣の前後 源氏物語絵巻 信貴山縁起絵巻 春日権現霊験記 扇面法華経冊子 枕草子絵巻 紫式部
10. 『源氏物語絵巻』(東屋〈一〉)[百科マルチメディア]画像
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中の君は妹浮舟うきふねを不憫ふびんに思い、自室に呼び、絵物語を見せて慰める。中の君は侍女に髪を梳くしけずらせ、浮舟は侍女右近うこんに物語を読ませ、自分は別の絵を
11. 『源氏物語絵巻』(柏木〈一〉)[百科マルチメディア]画像
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12. 『源氏物語絵巻』にみる硯箱[百科マルチメディア]画像
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らの返書をみる夕霧の前には、内に硯や筆、小刀などを収めた蓋ふたなしの大型の硯箱がみえる。『源氏物語絵巻』 「夕霧」(部分) 写国立国会図書館所蔵
13. あがた-じろう【県治朗】
日本人名大辞典
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14. 東屋(源氏物語) 72ページ
日本古典文学全集
見ながら女房によって音読される物語の本文を聞く趣である。浮舟が無心に物語絵に見入るこの場面は、『源氏物語絵巻』東屋一に印象深く描かれている。はじめは「灯の方に背
15. 石山寺画像
日本大百科全書
維摩居士ゆいまこじ像、厄除不動明王やくよけふどうみょうおう像、淳祐内供坐像ないくざぞう、『石山寺縁起絵巻』『源氏物語絵巻』『石山寺一切経』など国の重要文化財も多
16. いせものがたりえまき【伊勢物語絵巻】
国史大辞典
第七段は物語第十三で、男が奥州まで流れて行ったとき田舎女のもとに通った話となっている。画風は平安時代の『源氏物語絵巻』の系統をひき、濃厚な色調と共に金銀箔を使っ
17. いまきぎれ【今城切】
国史大辞典
数多く残っている。(一)長谷切本和漢朗詠集、(二)切箔散らし和漢朗詠集切、(三)伴大納言絵巻詞書、(四)源氏物語絵巻詞書(竹河・橋姫)、(五)二荒山神社本後撰和
18. ウメ画像
世界大百科事典
ある大和をはじめ,近江,美濃,加賀などに広く分布している。文様としても古くから用いられ,《源氏物語絵巻》や,高野山の《赤不動》の衣などにもこれに類するものがみら
19. 漆工芸画像
世界大百科事典
る。平安時代には朱漆器は非常に貴重で,宮中の宴では参議以上にのみその使用が許された。また《源氏物語絵巻》などによって,貴族の住宅内で多くの漆器が用いられ,棚や厨
20. 絵本画像
日本大百科全書
絵本の源は、平安時代12世紀前半の絵巻にある。あでやかな色彩で屋内の男女の出会いを描いた『源氏物語絵巻』と、躍動する淡彩の筆の動きで山野の動物の楽しいふるまいを
21. 絵巻画像
日本大百科全書
肥痩ひそうのある描線を駆使して線のもつ運動性を強調している。『源氏物語絵巻』が静的、情趣的であるのに対して、これは動的、劇的であり、『源氏物語絵巻』が叙情的であ
22. 絵巻
世界大百科事典
画巻 信貴山縁起 伴大納言絵詞 作絵 引目鉤鼻 源氏物語絵巻 女絵 女絵 男絵 吹抜屋台 異時同図法 つくり物語絵巻 説話絵巻 日記絵巻 源氏物語絵巻 伴大納言
23. えまき【絵巻】画像
国史大辞典
が進むにつれ、日本の物語や説話を題材にした絵巻が作られた。物語絵の遺品としては十二世紀の『源氏物語絵巻』と『寝覚物語絵巻』があげられる。そこに描かれた貴族の男女
24. 絵巻にみる引目鈎鼻[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
引目鈎鼻ひきめかぎはなの技法で描かれた人物の表情。『源氏物語絵巻』 「宿木やどりぎ」 写国立国会図書館所蔵
25. 御伽草子
世界大百科事典
。 以上のことからも,御伽草子の成立の時期を明確に位置づけることは難しいが,物語絵巻--《源氏物語絵巻》《寝覚物語絵巻》《葉月物語絵巻》また白描の《枕草子絵巻》
26. 女絵
世界大百科事典
った女絵も,専門画人の参加によってしだいに技法的に高められ,12世紀前半には徳川・五島本《源氏物語絵巻》のようなつくり絵の華麗で細密な様式を完成させた。このよう
27. おんな‐え[をんなヱ]【女絵】
日本国語大辞典
〔名〕(1)平安時代、特に情趣に富んだ絵。貴族の女性たちが愛好した物語絵にみられる。現存の「源氏物語絵巻」はその洗練された技法を用いたもの。
28. 花卉園芸画像
日本大百科全書
うし』と『源氏物語』にはそれぞれ100種に余る草木や花卉が四季の風物詩的に記されている。『源氏物語絵巻』にも庭植えの多くの花卉が図写された。王朝人はそれらの多種
29. 被り物画像
日本大百科全書
当時公家社会では、たとえ病床にあっても、他人と会うときには被り物をつけることになっていた。このことは『源氏物語絵巻』からもうかがうことができる。女性は外出の場合
30. 貨幣
日本大百科全書
記念して、新紙幣2000円券が発行された。表面に沖縄の首里城の守礼門しゅれいもん、裏面には国宝『源氏物語絵巻』の一部と紫式部むらさきしきぶの肖像を採用した。20
31. 壁代
日本大百科全書
これには黒一色のものと、濃紅こきべにと蘇芳すおう色の平絹を中央ではぎ合わせたものがある。『源氏物語絵巻』(「柏木かしわぎ」)には表地が白桜花文の綾に描き絵がなさ
32. からぎぬ【唐衣】画像
国史大辞典
)を加え、さらに表着(うわぎ)をつけてから裳に唐衣を着用して物の具と称した。唐衣の形状は『源氏物語絵巻』をはじめとする絵巻物類に作期の風潮を反映した描写がみられ
33. かわほり‐おうぎ[かはほりあふぎ]【蝙蝠扇】画像
日本国語大辞典
金銀泥絵などの華美なつくりとなった。先端を強く反らせたものを末広ともいう。(3)一二世紀はじめの「源氏物語絵巻」に描かれており、実物は厳島神社蔵のものがある。カ
34. 去来抄(俳論集) 531ページ
日本古典文学全集
集荷や商品の買受けなどを扱う荷受問屋と貨物積出業務を主とする積問屋があった。出典未詳。「頬はれて」は『源氏物語絵巻』などに見るように、目細く頬豊かな下ぶくれの美
35. 櫛画像
日本大百科全書
櫛の材質も唐木に加えて牙きば類も用いられ、それらは手箱に納めるのが普通であった。櫛で髪をすく姿は国宝『源氏物語絵巻』にみられるが、櫛の発達は、垂髪よりも結髪にさ
36. けもんりょう【花文綾】
国史大辞典
からのけもんれう」とあるのは、臣下の冬の直衣の表地に用いる白の唐花の丸の文様の綾をさす。この唐花の丸は『源氏物語絵巻』の直衣の文様に明瞭である。唐花菱(からはな
37. 源氏絵
日本大百科全書
的題材として近世に至るまで広く取り上げられている。最古の遺品は平安末期(12世紀前半)の『源氏物語絵巻』で、濃麗な画面と流麗な詞書ことばがきにより王朝美術の粋を
38. げんじえ【源氏絵】
国史大辞典
その盛況は知られよう。→源氏物語絵巻(げんじものがたりえまき) [参考文献]秋山光和『平安時代世俗画の研究』、同編『源氏絵』(至文堂『日本の美術』一一九)、梅津
39. 源氏物語画像
日本大百科全書
憧憬しょうけいする人々の心に『源氏』はますます権威をもって君臨することになる。院政期に、その一部が現存する『源氏物語絵巻』のような絵画芸術が宮廷の事業として制作
40. 源氏物語
世界大百科事典
美はあくまで一回的直観的な瞬時の体験であって,分析によって納得される類のものではないことが,《源氏物語絵巻》における〈引目・鉤(かぎ)鼻〉の様式と似て,こうした
41. 好色一代男(井原西鶴集) 190ページ
日本古典文学全集
物で、桟留とも唐桟ともいう。「本」は和製に対して、舶来の本物の意。はやりのいでたち。墨絵で源氏物語絵巻を描かせ。客と自分の紋所を小さな比翼紋(二つ並べる)にして
42. こうだんしゃ【講談社】
国史大辞典
などの月刊誌と、『週刊現代』『少年マガジン』なども発行。図書では『近代日本教育制度史料』『源氏物語絵巻』『世界文化史蹟』『秘宝』『現代世界百科大事典』などの大冊
43. こうちき【小袿】画像
国史大辞典
除いたいわゆる重ね袿の褻の装束の上に、華やかな織物の袿を裾短にしたてて重ねたので小袿という。『源氏物語絵巻』宿木巻二段の六の君や、『紫式部日記絵巻』の文台に向か
44. 小袿画像
日本大百科全書
数領重ねた上に着て、改まったときには唐衣からぎぬのかわりに小袿を着て裳もを腰につける。小袿姿の図として、『源氏物語絵巻』「宿木やどりぎ」の段の六の君、『紫式部日
45. こうらいべり【高麗端】
国史大辞典
『江家次第」二正月、摂政時叙位事には、公卿以下仕候の座を「高麗公卿座、紫職事弁官座」と区別している。『源氏物語絵巻』によると四弁の花形文と、これに襷(たすき)を
46. 古今和歌集 414ページ
日本古典文学全集
さい。「笠」は今のからかさに相当するが、昔は柄の長い傘を従者が後ろから差しかけたことは、『源氏物語絵巻』などでも分る。→六九四。木の下にこぼれ落ちる露。山形県の
47. こだい【古代】画像
国史大辞典
水屏風」一点しか残っていない。それに反して小画面では、道長時代に起源をもつ女絵を継承する『源氏物語絵巻』(徳川黎明会・五島美術館蔵)があり、その系統の長寛二年(
48. ごとう‐びじゅつかん[ゴタウビジュツクヮン]【五島美術館】
日本国語大辞典
五島慶太が収集した美術品を中心に、昭和三五年(一九六〇)に完成。古写経・書蹟・茶器・絵画が中心で、源氏物語絵巻・紫式部絵日記絵詞などの国宝や重要文化財も多い。ゴ
49. ごとうびじゅつかん【五島美術館】
国史大辞典
約二千点(国宝五点・重要文化財四十八点を含む)で、日本・東洋の古美術が中心である。国宝の『源氏物語絵巻』『紫式部日記絵巻』が特に有名であるが、充実するコレクショ
50. さごろもものがたりえまき[さごろもものがたりヱまき]【狭衣物語絵巻】
日本国語大辞典
絵だけ四段残存。鎌倉末期ごろの作。絵は土佐光秀、詞書(ことばがき)は伏見院筆と伝えるが明らかでない。絵は源氏物語絵巻の様式を踏襲するが、典雅な趣にとぼしい。東京
「源氏物語絵巻」の情報だけではなく、「源氏物語絵巻」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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京都市高山寺蔵。国宝。紙本墨画。四巻。甲巻縦三〇・七センチ、全長一一五〇・八センチ。乙巻縦三〇・八センチ、全長一二二一・七センチ。丙巻縦三一・三センチ、全長一一一四・六センチ。丁巻縦三〇・九センチ、全長九四三・〇センチ
源氏物語絵巻(日本大百科全書・世界大百科事典・国史大辞典)
絵巻。愛知・徳川美術館ならびに東京・五島(ごとう)美術館蔵。いずれも国宝。紫式部の『源氏物語』を題材としたもので、徳川本はもと3巻、五島本はもと1巻の巻物であったが、現在はいずれも各段ごと詞(ことば)と絵とを離して、額装(徳川本43面、五島本13面)
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平安後期の絵巻。三巻。国宝。『伴大納言絵巻』ともいう。866年(貞観8)春に起きた応天門の放火事件に題材を得たもの。時の大納言伴善男(とものよしお)が政敵の左大臣源信(まこと)を失脚させるため、京の重要な門の一つである応天門に火を放ち、その罪を源信に
三十六歌仙絵巻(日本大百科全書・世界大百科事典)
藤原公任撰(きんとうせん)の36人の歌人の画像に、略歴と歌1首を添えて構成した絵巻。もっとも古い遺品は佐竹家伝来の二巻本(通称「佐竹本」)で、鎌倉初期(13世紀前半)の制作になり、書は後京極良経(ごきょうごくよしつね)、絵は藤原信実(のぶざね)と


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西行物語(世界大百科事典・日本国語大辞典・日本大百科全書)
西行の生涯を多数の歌をまじえて記した,鎌倉時代の物語。作者未詳。《西行一生涯草紙》《西行四季物語》《西行一代記》《西行記》とも称され,絵巻の形でも伝わる。鳥羽院の北面の武士藤原義清(のりきよ)は文武に秀でた青年であったが,25歳のとき友人の死を身近に
三十六歌仙絵巻(日本大百科全書・世界大百科事典)
藤原公任撰(きんとうせん)の36人の歌人の画像に、略歴と歌1首を添えて構成した絵巻。もっとも古い遺品は佐竹家伝来の二巻本(通称「佐竹本」)で、鎌倉初期(13世紀前半)の制作になり、書は後京極良経(ごきょうごくよしつね)、絵は藤原信実(のぶざね)と
伴大納言絵詞(日本大百科全書・国史大辞典)
平安後期の絵巻。三巻。国宝。『伴大納言絵巻』ともいう。866年(貞観8)春に起きた応天門の放火事件に題材を得たもの。時の大納言伴善男(とものよしお)が政敵の左大臣源信(まこと)を失脚させるため、京の重要な門の一つである応天門に火を放ち、その罪を源信に
信貴山縁起(日本大百科全書・世界大百科事典・国史大辞典)
社寺縁起。奈良県信貴山朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)にまつわる次の三つの説話からなる。信濃(しなの)から出て東大寺で受戒した命蓮(みょうれん)が夢告で信貴山に登り、里にも下らず修行し、鉢を飛ばして供物を得ていたが、供物を怠っていた山崎の長者の米倉まで
源氏物語絵巻(日本大百科全書・世界大百科事典・国史大辞典)
絵巻。愛知・徳川美術館ならびに東京・五島(ごとう)美術館蔵。いずれも国宝。紫式部の『源氏物語』を題材としたもので、徳川本はもと3巻、五島本はもと1巻の巻物であったが、現在はいずれも各段ごと詞(ことば)と絵とを離して、額装(徳川本43面、五島本13面)


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