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  11. 建礼門院右京大夫集

建礼門院右京大夫集

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日本国語大辞典
けんれいもんいんうきょうのだいぶしゅう[ケンレイモンヰンウキャウのダイブシフ]【建礼門院右京大夫集】

解説・用例

鎌倉初期の私家集。二巻。建礼門院右京大夫の歌を収める。自撰。貞永元年(一二三二)頃の成立。承安四年(一一七四)からの歌約三六〇首をほぼ年代順に収めたもの。建礼門院への宮仕え、平資盛との恋愛、平家没落、大原の建礼門院訪問、後鳥羽院への再仕などに際しての和歌が時には長文にわたる詞書とともに収められ、しばしば女房日記として扱われる。

発音

ケンレ〓モンイン=ウキョーノダイブシュー

〓[モ]=[ブ]




日本大百科全書
建礼門院右京大夫集
けんれいもんいんうきょうのだいぶしゅう

平安末期、高倉(たかくら)天皇の中宮建礼門院(平徳子)に仕え右京大夫とよばれた女房の家集。作者は生没年不明だが、1152、53年(仁平2、3)ごろから55年(久寿2)ごろの出生と推定されよう。父藤原伊行(これゆき)は、行成から6代の後裔(こうえい)で世尊寺(せそんじ)流の能書、箏(こと)の上手、著書に『源氏物語釈(しゃく)』がある。母夕霧は大神(おおみわ)基政の女(むすめ)、当時琴(こと)ひきとして著名。1234年(天福2)6月『新勅撰(ちょくせん)和歌集』撰進のおりに、晩年の作者は、藤原定家(ていか)から編纂(へんさん)資料として作品の提出を求められた。このころまでに本集は成立していたと思われる。現存伝本は九州大学図書館蔵本の系統と群書類従所収本の系統とに大別され、九大本が最善本とみられている。
内容は平家一門の栄耀(えよう)、源平争乱、平家壊滅という時代的な悲劇を背景とした作者と平資盛(すけもり)との恋愛が主軸で、公達(きんだち)との生別死別の悲嘆に耐えて乱世を生きなければならなかった心情の詠出350余首(贈答歌を含む)が、長文の詞書(ことばがき)でつづり合わされ、ここに作者の生涯の軌跡をたどることができる。
[糸賀きみ江]
我が心うきたるままにながむればいづくを雲のはてとしもなし



改訂新版・世界大百科事典
建礼門院右京大夫集
けんれいもんいんのうきょうのだいぶしゅう

私家集。鎌倉初期の成立。2巻。総歌数350余首。作者は能書の家として名高い世尊寺家に生まれ,高倉天皇の中宮平徳子(のちの建礼門院)に仕えた建礼門院右京大夫(生没年不詳)。父は藤原伊行(これゆき),母は箏の名手夕霧。歌集といっても平重盛の次男資盛(すけもり)との悲恋の追憶が主題となっていること,また長文の詞書や,序と跋がつけられほぼ年代順に配列されている点,より日記文学に近いものである。上巻は平家の公達その他の殿上人との親交を含む華麗なる宮仕え生活を美しく描き,また歌人で似絵の大家藤原隆信との恋愛をも織り込むが,中心は資盛との楽しく,また悩み多かった恋愛である。題詠歌40首も含む。下巻は一転して平家の都落ち,資盛との決別,資盛の戦死,その追善供養,ありし日の思い出など,死別を頂点に亡き人への思慕の情を綿々とつづり,一編の悲愁物語ともいえるものである。また大原寂光院に女院を訪ねたおりのこと,七夕の歌51首,後鳥羽院の治世に再度宮仕えしたおりのこと,さらに俊成卿九十賀のおりの栄誉,定家から歌を求められたおりの喜びなどもつづられている。源平の大動乱の渦中に巻き込まれ,のがれがたい契り(宿命)の中で最愛の人を失ったひとりの女性の愛と悲しみを昇華させた回想録として,また技巧的な歌あるいは題詠歌が多く詠まれた時代に,生活(人生)と結びついた真情を吐露した歌が数多く詠まれていることなど,文学史上も評価される作品である。
[鈴木 栄子]

[索引語]
平資盛


新編 日本古典文学全集
建礼門院右京大夫集
けんれいもんいんうきょうのだいぶしゅう
【閲覧画面サンプル】
建礼門院右京大夫集 全体

【上記の拡大画像】
建礼門院右京大夫集 拡大

【現代語訳】
一 
高倉院がご在位のころ、承安四年などといった年であったろうか、正月一日、中宮様の御所へ、御門が、おいでになられたが、その時の御門の御引直衣のお姿や、中宮様がご礼装をお召しになったご様子などが、いつものこととは申しながら、目にもまぶしいほどお美しくお見えでいらっしゃったのを、通路から拝見して、心の内に思ったことは次のようなものであった。

雲の上に……宮中に出仕して、このようにすばらしい御門や中宮様のご様子を、あたかも雲の上にかかっている日月の光のように仰ぎみることは、そしてさらに、そのように定められていたこの身の前世からの約束さえうれしく思われる。

二 
同じ年の春であったであろうか、建春門院が内裏にしばらくいらっしゃったが、その女院が中宮様の御所へおいでになり、八条の二位殿も内裏にいらっしゃっていたので、中宮様の御所に伺候なさったが、その有様を、御匣殿のお後ろから、恐る恐るち

【目次】
建礼門院右京大夫集(扉)
凡例
建礼門院右京大夫集(扉)

一 月日の光
二 春の花 秋の月夜
三 松風の響き
四 花の姿
五 御法の花
六 一枝の花
七 笛竹
八 何となく詠みし歌
九 色深げなる人の言の葉
十 老いせぬ秋
十一 三笠の山
十二 燃ゆるけぶり
十三 蘆分けのさはる小舟
十四 夕日うつる梢の色
十五 秋をば慕ふきりぎりす
十六 尾花が袖
十七 月の色
十八 たちばなのにほひ
十九 心の春も知らぬ身
二十 書きおく文字の法の光
二十一 風をいとふ花
二十二 花見る春の心地
二十三 標の内
二十四 吹きわたる風
二十五 住の江の草
二十六 絵島にとめし水茎
二十七 深山辺の里
二十八 たちばなの花
二十九 あやめ草 長きためし
三十 今日をいつかと
三十一 深き江に生ふるあやめ
三十二 たもとに掛かるあやめ
三十三 立ち帰るなごり
三十四 軒端のもみぢ
三十五 深きみ山のもみぢ
三十六 なほざりに思ひしもせぬ言の葉
三十七 忘らるまじき今宵
三十八 今宵の影
三十九 なさけおく言の葉
四十 よその嘆きの露
四十一 かき暗す夜の雨
四十二 枕の下
四十三 折知らぬ身
四十四 散らぬもみぢ
四十五 雲の上をいそぎ出でにし月
四十六 六の道をいとふ心
四十七 雪のあした
四十八 朝顔の花
四十九 山路の雪
五十 冬の夜の月
五十一 面影に立つ夕べ
五十二 心にかかる人
五十三 移り香
五十四 恋ひわぶる心
五十五 すさびし琴
五十六 雲のよそに聞く
五十七 庭火の笛
五十八 臥しなれぬ野路の篠原
五十九 来ぬいつはり
六十 月に月こそ宿りけれ
六十一 夏衣
六十二 信夫の山
六十三 寄る波
六十四 焚く藻のけぶり
六十五 あだ人
六十六 もろかづら
六十七 くやしかりける逢坂
六十八 なれし枕
六十九 寝覚めし床のあはれ
七十 折りしたちばな
七十一 つらさのまさる
七十二 つらきけしき
七十三 若草を結びそめぬ
七十四 恋の山
七十五 法の声
七十六 み熊野の浦の浜木綿
七十七 しげき嘆き
七十八 ながめいづるそなたの山
七十九 水茎のかき絶えぬべき跡
八十 吹きかふ風の音
八十一 心そめし山のもみぢ
八十二 星合の空
八十三 花の姿
八十四 秋の初風
八十五 忍びがたくも澄める月
八十六 枯野の荻
八十七 枕の塵
八十八 秋の山里
八十九 下枝に咲ける菊
九十 起きてゆく人のなごり
九十一 夜半の埋み火
九十二 おなじ野の露
九十三 思ひ消てども消たれざりけり
九十四 何となき言の葉
九十五 衣の袖の折目
九十六 ひとりや月のかき曇るらむ
九十七 たぐひも知らぬ憂きこと
九十八 袖絞るらむ
九十九 いはばやと思ふこと
百 荒き騒ぎにただよひて
百一 あらるべき心地もせぬ
百二 なれける人を花も偲ばば
百三 夢にやあらむ
百四 見なれ過ぐししその昔
百五 み熊野の浦わの波
百六 思ひやるにぞ思ひ砕く
百七 かかる夢見ぬ人やいひけむ
百八 物忘れする心にもがな
百九 六の道しるべ
百十 夏のひぐらし
百十一 頼む仏も恵まねば
百十二 残る梢
百十三 憂きふるさと
百十四 憂きためし
百十五 今や夢 昔や夢と
百十六 なからましと思ふまでの身
百十七 旅立つほど
百十八 都には似ぬ山おろし
百十九 昔の袖の香
百二十 鳴子の音
百二十一 雲のはて
百二十二 星の夜の深きあはれ
百二十三 わが袖の氷
百二十四 かき暗す空
百二十五 晴れも曇りも定めなきを
百二十六 鳴子は風に残りけり
百二十七 下には絶えぬ水の音
百二十八 志賀の浦わ
百二十九 あらましのなごり
百三十 憂きことのいつも添ふ身
百三十一 常なきことのためし
百三十二 雨の夕暮れ
百三十三 死出の山路
百三十四 別れにし年月日
百三十五 昔の今日
百三十六 晴れわたる空のけしき
百三十七 彦星の行き合ひの空
百三十八 しひて忘るるいにしへ
百三十九 白薄様の声
百四十 犬はなほ姿も見しに
百四十一 心に似たる友もがな
百四十二 あやめ葺く軒端
百四十三 水の泡と消えにし人の名
百四十四 尽きもせぬ憂きね
百四十五 心の闇
百四十六 人の思ひ
百四十七 夜を長月の月
百四十八 なごりとどむる有明の月
百四十九 九かへりの十の行く末

解説
一 はじめに
二 作者とその周辺
三 作者の文学的契機
四 集の成立と流伝、諸本
五 おわりに――集の享受・研究
参考文献

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6. あい‐な
日本国語大辞典
殿の推(おし)はかり思しつるにたがはず『あいなの身の有さまや。いつもただかくぞかし』」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「返し、あひなのさかしらや、さるはかやうの ...
7. あい に あう
日本国語大辞典
宿る月さへぬるる顔なる〈伊勢〉」(2)(会)いちずの思いで会う。会いたい一心で会う。*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「あひにあひてまだむつごとも尽きじよにうたて ...
8. あお‐もみじ[あをもみぢ]【青紅葉】
日本国語大辞典
*満佐須計装束抄〔1184〕三「あをもみぢ、あをきこきうすききなるやまぶき、くれなゐすはうのひとへ」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「三位中将維盛のうへのもとよ ...
9. あき‐ざま【秋様】
日本国語大辞典
〔名〕(「あきさま」とも)秋になる頃。*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「見し人びとの都別ると聞きし秋さまのこと、とかく言ひても思ひても心もことばもおよばれず」* ...
10. あさぎ‐いろ【浅葱色・浅黄色】
日本国語大辞典
〔名〕「あさぎ(浅葱)〔一〕(1)」に同じ。*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「空を見上げたれば、ことにはれてあさき色なるに」*浮世草子・日本永代蔵〔1688〕四 ...
11. あしわけ‐おぶね[‥をぶね]【葦分小舟】
日本国語大辞典
*万葉集〔8C後〕一一・二七四五「みなと入りの葦別小舟障り多みあが思ふ君にあはぬ頃かも〈作者未詳〉」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「紅の薄様(うすやう)にあし ...
12. あせ =に[=と]成(な)る
日本国語大辞典
しげなり」*有明の別〔12C後〕上「おそろしく、はつかしくも、あせになる心ちぞする」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「はては、おそろしき物語どもをして、おどされ ...
13. あたり【辺】
日本国語大辞典
近親。縁故。*大鏡〔12C前〕三・師輔「御あたりをひろうかへりみ給御こころぶかさに」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「あたりなりし人もあいなき事なりなどいふこと ...
14. あだ‐ごと【徒言・徒事】
日本国語大辞典
伊豆波利己止。又阿太己止」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「あだことにただいふ人の物がたりそれだに心まどひぬるかな」*寛永刊本蒙求抄〔 ...
15. あ・てる【当・中・充・宛】
日本国語大辞典
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日本国語大辞典
家物語〔13C前〕三・城南之離宮「げに心あらむ程の人の、跡をとどむべき世ともみえず」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「ゆくへなくわが身もさらばあくがれんあととど ...
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日本国語大辞典
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日本国語大辞典
はなほ、かやうのことも見ぬわざもがな』と、あらぬ所のなきもわびしう、思し乱れながら」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「なぐさむことは、いかにしてかあらんなれば、 ...
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日本国語大辞典
C後〕下「関に入りて、信夫(しのぶ)と申すわたり、あらぬよの事におぼえてあはれなり」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「あぢきなき事のみまされば、あらぬ世の心ちし ...
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日本国語大辞典
*和泉式部集〔11C中〕下「ある程はうきをみつつもなぐさめつかけはなれなばいかにしのばん」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「あるほどがあるにもあらぬうちになほか ...
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日本国語大辞典
9頃〕藤原の君「み心のかしこく〈略〉あるるいくさ、けだものも、この主にはしづまりぬ」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「はるかなる野さはにあるるはなれ駒かへさや道 ...
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日本国語大辞典
かづきといひけり」*俊成五社百首〔1190〕「浪かかる岩根につけるあはび貝こや片恋のたぐひ成るらん」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「沖つ波岩うつ磯のあはびがひ ...
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いじらしいと思い合う。*源氏物語〔1001〜14頃〕藤裏葉「うちとけず、あはれをかはし給ふ御仲なれば」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「人わかずあはれをかはすあ ...
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日本国語大辞典
C前〕「十月十五日に院のあじろのあづかりの我々もといひあらそふ事などきこえさするを」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「そののちも、この事をのみいひあらそふ人々あ ...
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感動して話す。*平中物語〔965頃〕三六「いといたう、おのがどち、いひあはれがりて」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「又これもりの三位中将くまのにて身をなげてと ...
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在だと云ふので、言置をしてその家を出た」(2)死後のために言い残しておくこと。遺言。*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「母なる人の、さまかへてうせにしが、ことに心 ...
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あれこれと話し合う。*源氏物語〔1001〜14頃〕夕顔「あまえていかに聞えんなどいひしろふべかめれど」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「はたらかで見しかどあまり ...
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〔他ハ四〕相談し合って、適当な処置を講じる。*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「さるべき人々さりがたくいひはからふこと有りて、思ひのほかにとし経て後又ここのへの中 ...
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〔名〕言いはずすこと。言いそこない。*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「思はぬ物のいひはづしをして、それをとかくいはれしも」 ...
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いうすべなし。*枕草子〔10C終〕四一・鳥は「ほととぎすは、なほさらにいふべきかたなし」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「ここかしことうちたちたるさまなど、つた ...
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〜07頃か〕雑秋・一一四一・詞書「天暦御時、伊勢が家の集めしたりければまゐらすとて」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「家の集などいひてうたよむ人こそかきとどむる ...
34. いかで いかで
日本国語大辞典
給へり」*落窪物語〔10C後〕一「『これあけん、これあけん。いかでいかで』と云へば」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「ただとかく、さすが思ひなれにしことのみ忘れ ...
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日本国語大辞典
〔名〕(1)いかほどの昔。どれほど古い時代。*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「あせにけるすがたの池のかきつばたいくむかしをか隔てきぬらむ」*玉葉和歌集〔1312 ...
36. いた‐びさし【板庇】
日本国語大辞典
5〕雑・一六〇一「人住まぬ不破の関屋のいたびさし荒れにし後はただ秋の風〈藤原良経〉」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「いたびさし時雨ばかりはおとづれて人目まれな ...
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日本国語大辞典
いつもそうであるが。いつものことであるが。*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「花は散らず同じにほひに、月も一つに霞みあひつつ、やうやうしらむ山ぎは、いつといひなが ...
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日本国語大辞典
中〜13C頃〕逢坂越えぬ権中納言「その事となきいとまなさに、みな忘れにて侍るものを」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「にしやまなる所にすみしころ、身のいとまなさ ...
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日本国語大辞典
*宇津保物語〔970〜999頃〕祭の使「いましばしありては、さ聞こゆる折もありなん」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「もし命たとひいましばしなどありとも」 ...
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日本国語大辞典
〔名〕悲しみ泣くこと。また、その声。「浮き根」「浮き寝」などとかけて用いることもある。*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「つきもせぬうきねは袖にかけながらよその涙 ...
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日本国語大辞典
家集〔12C後〕中「存(なが)らへんとおもふ心ぞつゆもなき厭ふにだにも堪へぬ浮身は」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「重衡の三位中将の、うき身になりて、都にしば ...
42. うし‐ふたつ【丑二】
日本国語大辞典
999頃〕国譲下「まだ御殿籠らぬに『うしふたつ』と申すに、女御おり給ひなんとすれば」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「ひきかづき臥したるきぬを、ふけぬるほど、う ...
43. うす‐ぎぬ【薄衣】
日本国語大辞典
*源氏物語〔1001〜14頃〕空蝉「かのうす衣は小袿(こうちき)のいとなつかしき人香に染(し)めるを」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「うす柳のきぬ、紅梅のうす ...
44. うす‐やなぎ【薄柳】
日本国語大辞典
の堂童子の染め分けとて左右わかちて柳、躑躅(つつじ)とてある柳の常のうすやなぎなり」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「うすやなぎのきぬ、こうばいのうすぎぬなどき ...
45. うち‐た・つ【打立】
日本国語大辞典
*和泉式部続集〔11C中〕上「旅人の駒ひきなめてうちたてばやたのひろ野もせばくぞ有ける」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「ここかしことうちたちたるさまなど、つた ...
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日本国語大辞典
〕東屋「月頃うちの御方に、消息聞えさせ給ふを、御許しありて」(2)天皇の側。天皇方。*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「内の御方の女坊、宮の御方の女坊、くるまあま ...
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日本国語大辞典
まそで)もち床(とこ)打払(うちはらひ)君待つと居りし間に月かたぶきぬ〈作者未詳〉」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「ゆふさればあらましごとのおもかげに枕のちり ...
48. うち‐や・る【打遣】
日本国語大辞典
「代助は平生から、此位に世の中を打遣(ウチヤ)ってゐた」(3)(思いなどを)晴らす。*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「なにとなく見聞くことに心うちやりて過ぐしつ ...
49. う・つ【打・討・撃・撲・拍・擣・搏・伐・射】
日本国語大辞典
〈木下尚江〉二・一「何がし学校の記章打ったる帽子」(3)紙や、膏薬などをはり付ける。*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「ほうぐえりいだして、料紙にすかせて、経かき ...
50. うつ・す【移・遷】
日本国語大辞典
る。気持を他に転じる。*源氏物語〔1001〜14頃〕蛍「かかるすずろ事に心をうつし」*建礼門院右京大夫集〔13C前〕「なにかげに人の折りけるもみぢ葉を心うつして ...
「建礼門院右京大夫集」の情報だけではなく、「建礼門院右京大夫集」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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建礼門院右京大夫集(日本国語大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典・日本古典文学全集)
鎌倉初期の私家集。二巻。建礼門院右京大夫の歌を収める。自撰。貞永元年(一二三二)頃の成立。承安四年(一一七四)からの歌約三六〇首をほぼ年代順に収めたもの。建礼門院への宮仕え、平資盛との恋愛、平家没落、大原の建礼門院訪問、後鳥羽院への
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野白内証鑑(日本古典文学全集)
野白内証鑑一之巻目録自分の行状の弁解をした野郎の話秘密の色遊びはばれたが、始めより末に至って情勢が好転した野郎の大臣。その相手は羽ぶりのよい撞木町の女郎。悪性をささやいてすすめる耳塚の駕籠屋。客に肌を見せない白人の話 外面は菩薩のようだが内情は
豊後国風土記(日本古典文学全集)
豊後の国。郡は八所、〔郷は四十、里は百十〕駅は九所、〔みな小路〕烽は五所、〔みな下国〕寺は二所〔一つは僧の寺、一つは尼の寺〕である。

豊後の国は、本、豊前の国と合わせて一つの国であった。昔、纏向の日代の宮で天下をお治めになった大足彦の天皇
魯迅 その文学と革命(東洋文庫)
中国近代文学の父であり,偉大な思想家でもある魯迅は,知識人としての苦悩のなかで,中国の「寂寞」を見つめ,自らをも傷つける「革命」を志向する。著者会心の魯迅伝。1965年07月刊
論語徴(東洋文庫)
秦・漢以前の古文辞に対する確固たる自信から孔子の言論を読みとく,論語の注釈のなかでもっとも論争的な注釈書。卓抜した孔子論を展開するとともに,徂徠自身の思想も開陳する。第1巻は,学而,為政,八佾,里仁,公冶長,雍也,述而,泰伯。1994年03月刊
近世和歌集(日本古典文学全集)
年内立春 去年と今年の二本の緒で縒り合わせて掛けて同じ年が一本にまとまらないように、こんがらがってなかなか理解できない春はやって来た。やや趣向倒れの感がある。長嘯子としては機知を働かせたのだろうが。鶯 軒端の梅が咲いていて、一晩中鶯の到来を
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