JKボイス お客様の声知識の泉へ
ジャパンナレッジを実際にご利用いただいているユーザーの方々に、その魅力や活用法をお聞きしました。
ジャパンナレッジユーザーに関わるイベント、他メディアでの掲載記事などを「SPECIAL」と題してアップしていきます。今後もユーザーのみなさんが各方面でJKを応援していただいている様子をお伝えしていこうと思います。ご期待ください。
2008年02月

JKボイス-セミナーレポート:ジャパンナレッジ 「仕事時間を短縮!信頼できる情報をすばやく集める方法教えます。」

去る2008年1月31日、千代田図書館(東京都)にて、「ジャパンナレッジ」をはじめとするデータベースの活用法を解説したビジネス支援セミナーが行われました。
14名参加の小規模セミナーだったのですが、募集スタートから、わずか数時間で定員に達してしまいました。さらに当日は、ご自分のパソコンを持ち込んで、無線LANで実際に「ジャパンナレッジ」を試しながらセミナーを聞かれる熱心な参加者もいらっしゃいました。
当日参加できなかった方のために、講演のダイジェストを掲載いたします。
開催日時:2008年 1月31日(木) 19:30-20:30
場所:千代田図書館 9階研修室1・2
http://www.library.chiyoda.tokyo.jp/
講師:田中政司(株式会社ネットアドバンス)

検索エンジンで得られる情報はわずかに過ぎない!

 現在、インターネットの世界というのは、あまりに広がり過ぎてしまって、いったいどのくらいの分量があるのか、ハッキリわかりにくくなっています。その中でも、検索エンジンがカバーしているのは、ほんの一部だと言われています。
 検索エンジンを使うと、大量にヒットしますよね。でも、これらが網羅している情報量というのは、インターネット全体から見れば、ほんのわずかに過ぎないそうなのです。
 ミシガン大学マイケル・K・バーグマン教授のレポートによると、インターネット全体の実に1/400から1/500に過ぎないとも言われています。【資料4ページ】

 では、なぜ検索エンジンは、全ての情報を網羅していないのでしょうか? 
 インターネットは、「表層Web」と「深層Web」という2つの領域に分かれています。

 普通に皆さんがご覧になっているのが「表層Web」です。よくインターネットの世界では「静的なページ」とも言われております。
 もうひとつの「深層Web」は、CGIというコンピュータのプログラムがあるのですが、それを介して、その時だけ生成されるページです。「動的なページ」とよく言われるのですが、これは固有のデータベースの中に、格納されているものが多いのです。つまりみなさんが、データベースで検索される時だけ、表示されるページなのです。
 さらにやっかいなことに、この「深層Web」の中にこそ専門的な知識が数多く詰まっているのです。本日ご紹介させていただくジャパンナレッジもそうなのですが、当然のことながら、有料のデータベースほど、専門性の高い情報が蓄えられているのです。

「深層Web」を使いこなして豊富な情報を収集

 この「深層Web」を使いこなすことこそが情報収集のカギになってくるのです。
 では、どういうところで「深層Web」を探索すれば良いのでしょうか? 
 そのひとつの方法が、想像力です。探している情報がありそうなサイトをまずは頭に思い描き、そのサイトに行ってから、目的の情報を探してみることです。検索エンジンで探して見つからなかったから、ウェブ上にその情報がないのではなく、検索エンジンが万能ではないということを知ることがまず大切なのです。

 例えば、統計情報です。こういったものは、当然、統計局のホームページの中で公開されています。人口の統計、生活白書、インターネットの活用情報など非常に細かいところまで、膨大な量が収められております。

 みなさんは、国会図書館のサイトには行かれたことはありますか? このサイトは、非常に有用な情報が詰まっております。その中に「テーマ別調べ方案内」というページがあるんですね。
 自分の調べたい項目をクリックしますと、どういった情報をどのように調べたらいいか、丁寧に書かれています。
 項目がどこにあるか分からない場合は、「全文検索」にキーワードを入力することによって調べることもできます。
 例えば、「ナノテク産業」と入力すると、「ナノテク産業について調べるには」というページが用意されております。調べるための基本的な資料やレポート類はかなりの数が網羅されています。これらの情報を基に、実際の書籍を調べたり、専門のデータベースへアクセスしたりしていただくことになります。
 このページは優秀なスタッフの方々が、毎日アップデートされているそうですので、これは非常に活用できる情報かと思います。

書誌検索の頼れるデータベース群

 本を探す時、みなさんは、どのように調べていらっしゃいますか? 図書館に行くと、OPAC(Online Public Access Catalog)という書誌の目録情報がありますね。このOPACの親玉みたいなものがNDL (National Diet Library) -OPAC(国立国会図書館 蔵書検索・申込システム)です。
 これは、文字通り国会図書館が運営している目録情報です。

 この他に、本を調べる時に有用なサイトにWebcat Plusがあります。これは全国の大学図書館の総合目録データベースをWebで検索するシステムで、NII(National Institute of Informatics)国立情報学研究所という機関が運営しています。
 ここでは、「連想検索」と「一致検索」という2つの検索方法に分かれています。書誌検索のプロである司書の方は「一致検索」で、本そのものを探す傾向が強いようです。みなさんにご紹介したいのは「連想検索」です。
 例えば、ポータルサイトに出ているニュース記事を探して、文章をコピーし、入力窓に貼り付けます。今日は、「餃子事件」のニュースが出ているので、これを使ってみましょう。すると、この記事に関連した本が、ズラリと出てきます。ある程度長い文章を入力しても、システム側で判断し、その内容に近い書籍を探し出してくるわけです。
 さらにこのサイトの便利なところは、検索した本が、どの大学図書館に所蔵されているかがわかることです。先ほどの「餃子事件」でヒットした書籍に『日本人は、なぜ中国人に嫌われるのか』という本があります。この書名をクリックすると書誌情報が表示されます。さらに、上部にある「所蔵図書館 6館」というところをクリックすると、どの大学図書館に本が所蔵されているのかが分かると同時に、貸出のための請求番号まで表示してくれます。

 後ほどお話しいたしますが、近頃は学生以外に開放された図書館も増えてきていますので、このサイトで事前に調べておいて、図書館に借りに行っていただくというのも早道ですね。

 オンライン書店も有用なデータベースとして使えます。そのひとつにビーケーワンという書店サイトがあって、豊富な情報が活用できます。このオンライン書店で使われている書誌情報は図書館流通センター(TRC)が提供しているTRC-MARCです。MARCとは、Machine Readable Catalogの略で、コンピュータで読み取りができる書誌情報だと考えてください。この書誌情報の項目の一つに著者略歴が含まれており、これを無料で利用することができます。個人情報の問題もあり、すべての著者の略歴が参照できるわけではありません。以前は見返し部分の著者略歴をオペレーターが入力していたらしいのですが、最近はそこまではやってないそうです。実に残念です。
 例えば、漢字研究家の白川静さんの『桂東雑記』という本があるのですが、この本を検索しますと、白川さんの著者紹介が掲載されています。出版社が出している人物略歴程度ではありますが、無料でかなりのものを調べることができます。

経済情報で見る有料データベースの価値

 今日はビジネスパーソンの情報探索がメインテーマですから、経済情報のデータベースを見てみることにしましょう。

 まずEDINETです。
 先週末、「テラメント」という会社の株式大量報告書問題で一躍有名になってしまったサイトですね。ここは金融庁が運営していて、登録している会社が自分たちの有価証券報告書をアップすると、一般の方も閲覧ができるという、非常に便利なサイトです。ただし制限があって、2001年6月1日以降のデータしか閲覧できません。【資料6ページ】

 無料ではありませんが、ジャパンナレッジに収録されている「会社四季報」も非常に有用な企業情報です。書籍と同様に企業概要、役員名、財務情報と二期予測などが載っております。数字などのデータはコピーすることができますから、エクセルなどの表計算ソフトで加工すれば、グラフなどの統計データが簡単に作れます。【資料8ページ】【資料9ページ】

 無料でも、いろいろな検索ができるサイトがあるわけなのですが、有料サイトになると、もっと専門的で詳細な情報が手に入るわけですね。

有料サイトを賢く利用する方法

 では、このような便利な有料サイトを一般の方が、どうやって利用できるのか? 
 専門的なデータベースは高価ということもあり、予算の関係で一般の公共図書館では、なかなか導入されていないというのが現状です。【資料10ページ】

 ここで注目したいのが、大学図書館です。今までの大学機関というのは、本当に象牙の塔で、一般の方は受け入れていませんでした。でも、最近になって、特に国公立図書館は、地域社会との結びつきが重視されてきて、近隣の方々を受け入れるサービスを徐々に始めております。
 首都圏ですと、東京大学総合図書館首都大学東京図書情報センター横浜市立大学附属図書館などが民間にもかなりの部分を開放してくれています。私立大学の図書館も、開放の方向性で進んではいるらしいのですが、国公立ほど門戸が開放されていないのが実情のようです。【資料11ページ】【資料12ページ】

 公共図書館でも、大学図書館ほどではありませんが、有料データベースが使用できるところが増えてきています。

 まず、東京都立中央図書館です。上記のEOLは無いのですが、医療関係の医中誌(医学中央雑誌)Web、理科年表WEB、科学技術文献系のJ-DreamⅡなど、様々なデータベースが自由に利用できるようです。

 国会図書館もかなり揃っています。ここの特筆すべき点は、海外の資料ですね。相当量の海外のジャーナルや論文を検索できるようになっています。

 ちょっと遠いのですが、大阪市立図書館。ここもデータベースがかなり揃っているのですが、大阪市民だけでなく、日本全国誰でも会員登録が可能です。この図書館では、来館者が使えるパソコンを100台近く用意していて、その大部分が申し込み無しで自由に使えます。これらのパソコンのほとんどはデータベースに繋がっていますから、好きなだけデータベース使えます。大阪に行かれることがあったら、ぜひここの図書館を利用してみて下さい。【資料13ページ】【資料14ページ】

第一歩は百科事典から

 インターネットを活用した調べ方をざっとご説明しましたが、やはり調べものを本格的にやろうとすると、図書館を利用するのがいちばん効率的だとわかっていただけたかと思います。
 図書館には、調べ物のプロである司書の方がいらっしゃいます。この司書の方々に調べていただくのが、一番てっとり早いやり方かもしれません。ただ、最近は専門的な調べものが増えたようで、司書も忙しい。もし、データベースなどが充実している図書館であれば、それを利用してまずは調べてみる。それで目的の情報に行きあたらない場合に、プロの力を借りるというのがいいのかもしれません。
 図書館に行った、データベースも利用できるという環境が手に入った。次に何をすればよいのか? ここで、図書館関係者の方が書かれた面白い本を紹介させていただきます。

 『図書館に訊け!』は、同志社大学の総合情報センター(図書館)に勤められている井上真琴さんという方の本ですが、調べもののプロフェッショナルである司書がどのようにそのプロセスを進めるのかが事細かに書かれています。その知識の奥深さと緻密さに驚かれる方も多いと思います。この中で書かれている印象的な部分をお話します。
 司書の方たちは、必ず図書館情報学という分野を勉強されるそうなのですが、そこで、まず最初に習うことが、「必ず百科事典を引きなさい」ということなんだそうです。もちろん、井上さんも「分からないことがあったら、恥ずかしがらずに百科事典を引け」と教えられたそうです。
 なぜ百科事典なのか? ここは本の引用をさせていただきます。

―――それは百科事典があらゆる領域を包含し、これから調査する主題の定説・通説を記述しているからだ。考えてみれば簡単なことだが、斯界(しかい)の権威による凝縮された解説は、知識を得る際の確実な早道であることはいうまでもない。【資料15ページ】


 もうひとつ、紹介させてください。

 『考える力をつけるための「読む」技術』。こちらは、東京大学特任教授の妹尾堅一郎さんの本です。この方は、ビジネスパーソンのための講習を担当されることが多いらしいのですが、著書の中でこのように語っていらっしゃいます。

―――(最近の若いビジネスパーソンは)企画や仕事について、基本的な調査ができない。言い換えるなら、関連分野の基礎となる知識をどうやって得たらいいかわからないという人が、かなりいるのです。もっとも、この手の人を指導するのは簡単です。百科事典を調べさせるのです。ところが、そう説明すると、たいてい参加者たちは「なぜ?」といわんばかりの顔つきになります。なかには「もっと新しい知識を得ないと仕事になりません」と言ってくるビジネスマンすらいます。もちろん、最新の情報を得るため、専門書を調べたり市場で情報収集することは大切です。ただ、専門書や最新の報告書は、各分野の定説や通説の理解を前提に書いてあります。その分野について何の知識もない人間が、いきなり読んで理解できる代物ではないのです。市場調査についても同じです。業界の通説を知らないで、有効な情報収集などできるはずがありません。【資料16ページ】

 このように、調べものをする際に、いちばん大切なことはまずは事典・辞書、とくに百科事典を調べることが、結果的にいちばんの早道になるということです。仮に、調べている事柄が百科事典に載っていなかったとしても、悲観する必要はありません。それだけで、その事柄が、まだ定説が固まっていない新しい領域に属しているか、社会的に確立されたものではないということがわかります。次により専門的な書籍やデータベースで調べればよいだけのことです。

レファレンス事例に見るプロのテクニック

 具体的に、どのような事例がどのように調べられているのか見てみることにしましょう。司書の方々が、実際の質問をどのように調べ、回答したのかを集約したデータベースがあります。国会図書館にある、レファレンス共同データベースです。

 その中から、これはビジネス関係の調査だと思うのですが、「住宅用分電盤の市場動向を調べたい」という質問を国会図書館の司書の方が受けています。【資料17ページ】

 まず、「分電盤」というものが、どういうものなのか分からなくてはならないので、ジャパンナレッジに収録されている小学館の「日本大百科全書」を調べています。
 実際にジャパンナレッジを使いながらみてみましょう。
 検索窓に「分電盤」と入力していただき、「辞事典の検索」というボタンを押していただきます。これはワンルックというジャパンナレッジ独自のシステムで収録されている複数の辞事典を横断して調べられるというものです。

 「分電盤」……。たしかに「日本大百科全書」に載っています。ここを読んでいただけば……なるほど、「分電盤」については分かった。
 では、分電盤の市場動向はどうやって調べるのでしょうか?
 従来の書籍版ですと、テキストだけが書かれているわけなのですが、さすがにオンラインの時代ですので、ページの右側に「関連サイト」というのが並んでいます。これらは、分電盤関連の業界団体なんですね。この団体が発行している資料をいくつか見ることができます。
 「関連サイト」から「日本配線器具工業会」のサイトへ行ってみましょう。
 このサイトの中に「委員会活動」というページがあります。そこに「住宅盤専門委員会」という団体へのリンクがあります。
 こちらのサイトには、詳細な家庭用分電盤の資料が公開されています。また実際に委員会発行の資料を取り寄せていただいてもいいでしょうし、国会図書館の中でも資料は揃っておりますので、実際に調べていただいてもいいでしょう。

 ジャパンナレッジでは、百科事典のほかに、各種辞書、経済記事、書籍など数多くのレファレンスコンテンツが搭載されていますので、時間節約のためだけでなく、興味を広げるような検索もできるようになっています。時間があれば、ぜひすみずみまで中身を見てください。

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