暁(あかつき)とは夜を三つに分け、最後の三番目を表すことばで、暁天は「夜明けの空」という意味である。季節はこれから小暑(しょうしょ)、大暑(たいしょ)へと続いていく。そのような夏真っ盛りの早朝に、静かで清涼な寺院に集い、座禅を組んで精神を集中し、法話に耳を傾けるのが暁天講座である。

 通常、僧侶が朝のお勤めを終える午前6時ごろから始まり、1時間ほど行なわれる。7月から8月にかけての数日間、京都や奈良をはじめ、全国各地の寺院で開かれている夏恒例の講座である。予約不要で開いている寺院が多く、著名な識者を招き、広い本堂や講堂で開かれる場合もある。ところによって講座を終えた後、粥座(しゅくざ;粥、沢庵、梅干しの朝食)や朝粥(あさがゆ)の接待が受けられ、心身ともに清らかに養生のできる行事といえようか。

 お釈迦様が明け方に悟りを開かれたことに由来し、夏の寺院では暁天座禅という早朝の座禅会も開かれる。インドの僧侶は雨季(7~9月)に座禅修学を行なう習慣があり、これが日本に伝わると、3か月もの長期を一か所に籠もる夏安居(げあんご)や夏籠(げごもり)という修行になったそうである。滋賀県長浜市の真宗大谷派大通寺では、7月2日から10日の間、夏安居に由来する「夏中(げちゅう)」という法要が毎年営まれる。ここで暁天講座は夏中の行事の一つとして信徒や参拝者に定着している。大通寺の門前町ではこの期間を「夏中さん」と愛着を込めて呼び、賑々しい露店が並ぶ琵琶湖の夏の風物詩になっている。


浄土宗の総本山である、百万遍知恩寺の暁天講座。


   

京都の暮らしことば / 池仁太   



 安倍政権が掲げる女性の積極登用により霞が関では一挙に4人の女性局長が誕生した。

 『週刊文春』(7/17号、以下『文春』)はこの4人の「個人情報」を公開している。外務省の斎木尚子経済局長(55)は2月の都知事選挙で官邸が候補のひとりとして検討したというなかなかの美形。亭主も同じ外務省の昭隆事務次官(61)で、省の最高幹部会議に夫婦で出席するのは前代未聞だそうだ。

 彼女が注目を浴びたのは北米局初の女性課長になったときと、当時の田中真紀子外相から亭主が目の敵にされ、「外務省を牛耳る悪魔夫婦」と揶揄されたときだ。

 人間味があり一升酒を飲んでも乱れないという評がある一方、仕事のできない職員には怒鳴りあげる冷たい性格だという向きもあるようだ。

 法務省初の女性局長になった岡村和美人権擁護局長(56)は霞が関では珍しい途中入局だそうだ。早大卒業後ハーバード大のロースクールを修了して弁護士資格を取り、ウォール街の渉外弁護士などを経て2000年に検事へ転身。

 検事任官後は東京地検刑事部に配属され、彼女も法務省初の女性課長に抜擢される。気さくで人当たりもよく、記者たちの受けもよいそうだが、人脈もすごくて、国際金融マフィアの情報も取れる人材だから、お飾りの人権擁護局長ではもったいないという評もあるようだ。

 宗像直子氏(52)も経済産業省初の女性局長として貿易経済協力局長に昇格。国際通商畑を歩いてきて専門はアジア経済。TPP交渉はバリバリの推進派だったことから「TPP界のアイドル」と呼ばれていたという。

 『文春』によれば「皇太子のお妃候補としても名前が上がり、宮内庁から打診があった」そうだ。

 厚労省の雇用均等・児童家庭局長になったのは安藤よし子氏(55)。03年から06年まで滋賀県の副知事を務め、趣味は茶道。「職場の机には『成功は覚えてもらえないが、失敗は誰も忘れない』と英語で書かれた札が置いてあって、そういうところはいかにも役人らしい」(厚労省関係者)

 この4人の女性のうち3人が東大卒。岡村氏は早大だがその後ハーバード大を出ているからひけはとらない。仕事もできるようだから、この抜擢人事は真っ当なのだろう。

 しかし、安倍首相は「指導的地位に占める女性の割合を30%に引き上げる」という数値目標まであげて、企業側に“従う”よう指示しているのはいかがなものだろう。

 欧米諸国では女性の管理職が3割を超えているそうだが、日本ではまだ1割程度に留まる。それを一挙に2割も増やすには、産休、育児休職などの支援はもちろんだが、この国に根強く残る女性に対する「差別」意識を変えなくては、かけ声だけで終わってしまうだろう。

 私は出版社にいるとき「バカな男よりできる女のほうがなんぼかいい」と言い続けていたが、アホな経営陣は「女は仕事を教えても結婚してすぐ辞めてしまう」などという旧態依然とした考え方で、つい最近まで優秀な女性を採用せず、バカな男のほうを多く採り続けてきた。

 私が『フライデー』『週刊現代』編集長時代、女には深夜勤務が多い部署への配属はできないと言い募っていた会社側を説得し、女の新入社員が来るようになった。まだ数は少ないが、私が言っていたように女のほうにできる編集者が多い。

 これは出版だけではない。マスコミには女性差別が厳然と残っているのだ。大新聞の編集局長や部長職に女性の登用が少ないことがそれを物語っている。

 女性を重用しないマスコミと、口先だけで女性登用を唱え実態を見ない安倍首相に踊らされてはいけない。数合わせのために女性を役職に就ければ、社内の男たちから不満が出る、彼女たちが失態を演じれば、それ見たことかと指弾されること必定である。

 そうした文化のない社会で育ってきた女性をいきなり抜擢するのではなく、男女の別なく仕事ができる職場をどうつくっていくのかをまず考えるべきである。

 その好例が『週刊現代』(7/26・8/2号)に載っている。安倍首相の強い推しで厚労省事務次官になった村木厚子氏(59)が、このところの不祥事続きで、省内からも官邸からも「村木さんにはマネジメント能力がない」と批判が相次いでいるそうだ。

 村木さんは冤罪で逮捕され、無実を勝ち取ったヒロインである。私も彼女の強い精神力には敬服している。だが、それと事務次官としての能力とは別であるはずだが、安倍首相が無理矢理次官に据えてしまったのだ。

 それが今度は、厚労省が所管する「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」の潤沢な資金を株購入に使えるようにしたい安倍首相が、厚労省を意のままに動かすために財務省から人間を送り込んで、彼女を「いびり出せ」と指示しているというのである。

 国民に媚びを売るために女性を利用し、いらなくなったらポイと捨てるのでは、真に女性の生きやすい国づくりはできはしない。それをわかっているのは女性たちである。そのうち痛いしっぺ返しにあうに違いない。

元木昌彦が選ぶ週刊誌気になる記事ベスト3

 今週最大の話題はビートたけしの愛人問題であろう。テレビはもちろんスポーツ紙もほとんど後追いしなかったこの話題だが、読んでいるうちに「たけし事件」を思い出させた。そんな私事を含めてスキャンダルを3本選んでみた。

第1位 「ビートたけし“100億円愛人”」(『週刊文春』7/17号)
第2位 「ジャブ中女のガサ入れで見つかった北海道警警視正の全裸写真」(『週刊文春』7/17号)
第3位 「渾名は『発作マン』だった『号泣県議』モンスター事件簿」(『週刊新潮』7/17号)&「野々村竜太郎県議『超マザコン伝説』」(『週刊文春』7/17号)

 第3位。ワイドショーでスーパースターだった号泣男は“めでたく”辞任となった。このおかしな県議を取り上げた『新潮』と『文春』の記事。
 『文春』によれば、きっかけは神戸新聞が野々村竜太郎元兵庫県議(47)の「日帰り出張195回の名目で、計約300万円を政務活動費から支出した」と報じたからだ。
 こんな男がよく県議になれたものだが、11年4月に行なわれた県議選に出た野々村氏は、勝手に「大阪維新の会」と間違いかねない「西宮維新の会」を名乗り、順風だった維新の風に乗って当選したそうだ。
 このとき訴えていたのが「議員報酬の半減」と「政務調査費(当時)の透明化」だったというのだから笑える。
 こんな人間にも約1400万円の報酬が与えられ月50万円の政務活動費が使えるのだ。この政務活動費を満額使い切っていたのだが、昨年だけで176万円分もの切手を金券ショップで購入し、自宅近くのスーパーでの買い物もクレジットカードを使用し、事務用消耗品を購入したことにしていたそうだ。
 昨年城崎温泉に195回もの「日帰り出張」をしたとしているが、そんなことが出来るわけがないことは、メディアの取材で明らかである。
 『新潮』によれば野々村元県議は名門校・北野高校を出て関西大学法学部に進み、卒業後に兵庫県川西市役所に就職した。道路を直角に曲がる小学生時代や水割りの氷が怖いと号泣した青春時代があったそうだが、市役所時代のエピソードが彼の人となりを物語っているようだ。

 「いきなり同僚を怒鳴る、訳の分からないことを喚き散らす、泣く、人間関係をぐちゃぐちゃにする。野々村はそんなヤツでしたわ。市内の中学校の事務員に飛ばされ、着任早々、別の事務員に怒鳴り散らした。で、校長から“もう来んでええ”と叱責されると、ホンマに無断欠勤するようになってしもたんや」(元川西市役所職員)

 役所を辞めてからは町長選挙や市長選挙などに出ては落ちるが、兵庫県議会議員選挙で初当選する。野々村議員は辞職に追い込まれたが、こういう人物に一票入れた人間が1万1300人近くいたことには驚く。この人たちも「反省」すべきだろう。

 第2位は『文春』の記事。ノンキャリアから北海道警の警視正にまで上り詰めた奥村稔氏(58)が、交際していたシャブ中の女性に「全裸写真」を撮られていたことが発覚して辞任に追い込まれた。
 この警視正氏、それだけでもアウトなのに北見方面本部捜査課長時代にススキノのママと不倫していたり、あろうことか釧路署長に転勤する際に、広域指定暴力団の二次団体組長に送別会まで開いてもらっていたことが、報道機関に送られてきた「投書」に書かれていたという。これではスピード辞任もやむを得まい。

 さて今週の第1位はあのビートたけし、久々の女性問題である。
 『文春』の中でたけしの事務所関係者がこう話している。

 「これまで星の数ほど愛人を作ったたけしさんですが、これほど夢中になった女性は初めてじゃないでしょうか。『カミさんに全財産を渡して(A子さんと)一緒になる』と言ったときはゾッとしました」

 たけしは御年67歳、A子さんは49歳。昨今、年の離れたカップルが多い中ではさほど驚く年の差ではないが、たけしは「本気」なのだろうか
 ダウンタウンの浜田雅功(まさとし)がフライデーされたとき、『ポスト』(7/11号)の連載でこう語っていた。

 「六十過ぎちゃうとチンポだって勃たないし、そもそもオネエチャンに興味がなくなっちゃう」

 ほぼ彼女は50歳。オネエチャンという年ではないから勃つのかもしれないが、忙しい時間をやりくりして、たけし名義の目黒区のデザイナーズマンションに彼女を住まわせ、半同棲状態だというのだ。
 モノクログラビアには二人が食事を終えて店から出てくるところが載っている。彼女は100万円以上もするバーキンを持っているが、これもたけしがプレゼントしたものだという。
 彼女はどういう素性なのだろうか。『文春』によれば「彼女の父は、大手広告代理店の元幹部。国会議員の秘書を経て、地元の熊本で県会議員を務めたこともある名士」。議員秘書や県会議員が「名士」かどうかは判断の分かれるところだろうが、彼女は一時、関西の高級ホテルの「アドバイザー」という肩書きを持っていたそうだ。
 09年に彼女はホテル事業の関連会社を立ち上げたが、昨年末に解散している。A子さんがたけしとの関係を深めていった直後のことだったという。
 もしたけしが本気で離婚を考えているとしたら慰謝料はいくらになるか、『文春』はお節介にも計算している。年収が15億から18億。これまで稼いだカネは100億円はくだらないそうである。
 しかもその収入を管理しているのが、たけしの奥さんと長男が代表を務める会社だから、離婚するにあたって相当揉めることは間違いない。
 たけしは『文春』の直撃には答えなかったが、所属事務所の「オフィス北野」森昌行代表がこう話している。
 A子さんとは仕事の関係で男女の仲ではないと、たけしは言っているという。
 だが、毎日のようにA子さんのマンションにたけしが泊まっていることは否定せず、世田谷の家が改装工事に入るためA子さんのところに泊まらせてもらっているだけだと話す。

 ビートたけしといえば「フライデー襲撃事件」を思い出す向きも多いだろう。86年、当時17歳だったB子さんとの不倫が発覚し、それを報じた『フライデー』編集部をたけし軍団が夜中に襲撃した傷害事件である。これを機に『フライデー』は急激に部数を落としていく。
 91年にはB子さんとの間に子どもが生まれていたことを、私が編集長のときの『フライデー』で報じた。このときはまだ襲撃事件の余波が残っていたため、社内にもたけしへのアレルギーが強く、社長にも掲載する前に知らせたことを思い出す。
 私はたけしの出る報道番組は感心しないし、最近の彼の映画も作り始めたころと比べると質が落ちていると思っている。そんな彼の焦りが老いらくの恋へと走らせているのではないのか。
 このスキャンダルは当然ながらテレビは取り扱っていないようだが、連載をしている『ポスト』はどうかと覗いてみたら、ひと言も触れていない。昔のたけしには自分のスキャンダルをネタにしてしまう野太さがあったと思うが、いまや文化人に成り下がったたけしにそれを望むほうが無理なのだろう。
   

   

読んだ気になる!週刊誌 / 元木昌彦   



 「ボタニカル(botanical)」は「植物の」「植物学的な」という意味の英語。2014年のファッション界の一つのキーワードとなった。そもそも、最近はガーリーな「花柄」のトレンド傾向が続いていた。これを受けて、葉やツタ、木の実といった「ボタニカル柄」全体が注目されるようになったわけだ。ボタニカル柄は、夏のリゾート的な装いの中にも、ナチュラルテイストな上品さを演出することができる。ちなみに、スカートなどのアイテムだけでなく、ネイルのデザインとしても流行しているそうだ。今夏は、レディースだけでなく、メンズにも人気のきざしが見える(男性の場合だと単に「アロハ」っぽくなってしまうけれど)。

 ファッションの流行は、それ自体が突然変異的に湧いて出るわけでなく、世のさまざまなトレンドと影響しあって起こるもの。植物を実物大に精密に描く「ボタニカルアート」などは、日本でも愛好者を増やしているし、雑貨のジャンルでも、遠目には一輪の花やリーフに見える「ボタニカルペン」がヒットしている。「ボタニカル」という言葉を聞く機会は、各方面でますます増えてくることだろう。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 日本からはるか1万キロ。北アフリカのモロッコ王国で古くから伝わる調味料「塩レモン」が、日本で新たな食ブームの立役者となっている。

 塩レモンは、レモンを塩漬けにして発酵させた香り調味料で、傷みやすいレモンを大切に使うモロッコ人の知恵から生まれたものだ。モロッコ料理は、パプリカ、ターメリック、シナモンなどのスパイスをふんだんに使うのが特徴。この複雑なスパイスを引き立たせるのが、ほどよい酸味の塩レモンだ。モロッコ料理には欠かせない香り調味料として、タジン鍋はもちろん、肉料理や魚料理、サラダまで幅広く使われている。

 本場モロッコではレモンを丸ごと塩に漬け込み、時間をかけて発酵させるが、日本では櫛切りや輪切りにしたレモンを塩で漬け込む方法で作る人が多いようだ。作り方は簡単で、適当な大きさに切ったレモンと塩(レモンの重量の10%程度)を殺菌した広口瓶などに入れ、冷暗所で保存。1か月ほど熟成させると使えるようになるが、長くおくとさらに味がなじんでまろやかになるという。

 さわやかなレモンの香りとコクのある塩味は、料理に酸味と塩味を加えたいときに便利で、和食のちょい足し調味料としても相性はいい。レモンから出てきたエキスをドレッシングや肉や魚のつけ汁に使ったり、レモンの皮は刻んだり、すりつぶしたり、多様な使い方ができる。テレビや雑誌で紹介され、その後、ネットのレシピサイトで拡散されるようになったのだ。

 はるかマグリブの地からやってきた「塩レモン」は、食べるラー油や塩麹のように、一大ブームを巻き起こすのか。
   

   

ニッポン生活ジャーナル / 早川幸子   



 バブル期には「高学歴・高収入・高身長」の「3高」が女性たちのあいだでもてはやされた。……ということになっている。「3高」、特に「高収入」に関しては、うさんくさい輩も多かったのだが。バブルがはじけて、夫の事業が崩壊してしまった、という悲劇はよく耳にしたもの。「3高」にこだわった女性と、こだわらなかった女性。どちらにせよ、その後の歩みは結局のところ「運」であったろう。

 結婚に夢がないのもさみしい話だが、「トラブルの少ない人生を送るためにどんな相手と結婚すればよいのか」、この視点はリアルな問題として存在する。最近話題になっている「4低」という言葉。2012年にオリックス生命保険が発表したもので、当時はいち新語に過ぎなかったものが、この2年のあいだにジワジワと浸透した感じだ。

  「4低」が示すのは「低姿勢・低依存・低リスク・低燃費」。「低姿勢」は「女性に対して威張らないこと」。「低依存」は「女性に家事を任せっきりにしないこと」。「低リスク」は「職場をクビになる可能性が低いこと」。「低燃費」は「経済観念があって節約などがちゃんとできること」。「低姿勢」「低依存」は、女性が働く時代を踏まえて、旧態依然とした「夫」というシステムの否定。「低リスク」「低燃費」は、かつて「高収入」が求められたのに対して、「ずっと稼いでずっと生活を維持できる」ラインが求められている、ということだろう。

 ただ、共働きで力関係がだいたい同じぐらいのカップルであれば、「4低」はそのまま、男性から女性に求められる結婚条件にも当てはまってしまう。男女ともに生き方が多様化している昨今、根本的に結婚に至らなくなってしまうわけだ。幸せなゴールインとやらは、いつの時代もまったくむずかしい。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 自民党内に2014年6月、「携帯電話問題懇話会」(会長・中山泰秀衆院議員)なる議員連盟が発足した。新聞報道などによると、その狙いは、「携帯電話の保有者に自動車税のように課税し、税収は携帯電話を使った犯罪の防止、啓発活動に利用できるように仕組みを検討する」という。課税額は「スマホのアプリを購入する程度」を想定。

 携帯の普及台数は1億4000万台(2014年3月末現在、業界団体まとめ)だから、仮に1台で年500円とすれば、総額で700億円の税収となる。議連は秋ごろに提言をまとめるという。

 これに対し、携帯利用者から「安全対策、犯罪防止に名を借りた増税策だ」との批判が吹き出している。

 そもそも、「電波利用料」が携帯電話会社にすでに課されており、その総額は400億円以上である。利用料は当然、料金に加算されており、携帯保有者は、携帯会社を通じて電波利用料を徴収されている形だ。事実上の税金である。これに新たな「携帯課税」が加われば、二重課税になる。

 法人税率の引き下げに伴う、税収減の穴埋め策として、携帯が狙われた形だ。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   



 太宰治や芥川龍之介や中島敦ら文豪にハマる若い女性のこと。火付け役は、日本の文豪たちが現代風のイケメンとして登場する人気漫画『文豪ストレイドッグス』(角川書店)。

 「漫画を読んでからはいろんな(文学)作品も読むようになった。太宰もいいけど、一番好きなのは谷崎潤一郎」……などの、一見“健全”な声も多く聞こえており、お父さんもお母さんも娘が文豪女子になるぶんには一安心、といったところだが、「文豪」と呼ばれる男は、得てして本来“社会人としては欠落している”ケースが多いという側面を見落としがちである点は指摘しておきたい。

 つまり、思春期の段階で「ダメ男にひっかかりやすい体質・メンタルを促進してしまう」危険性もはらんでいるわけだ。

 そういう意味では、前回に書いた「カープ女子」などは、たとえ対象が究極の肉食男子であるプロ野球選手だとしても、文豪女子よりずっと無害なのではないかと思われる。

[類似語]レキジョ(=歴史好きの女子。※とても健全)

[似て非なる語]豪州女子(オーストラリアを国籍とする女子)
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


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