その場に合わせ、微妙に意味や強さが変わることばで、それをしてはいけないと禁じるとき、あるいは思ったように物事がはかどらないとき、用意したものが使えないとき、「これあかんわ」の一言で済んでしまう。また、効果がないとき、無駄なとき、だめなときなどにも使われている。

 本来は「埒(らち)があかぬ」を略し、「あかぬ」の音が変化したもので、関西地方でよく使われる方言である。これらは、どうもうまくいかなくて、少しいらいらしながら嘆くような感じで使われているけれど、使い方はほかにもある。

 弱虫とか、意気地無し、という意味があり、例えば、もう少しがんばれ、と子どもへの励ましを込めて「あかんたれ」という。昔は子どもを叱るような厳しさが含まれていたようであるが、最近はどちらかというと、「うちのボンは甘えん坊やからなぁ」と、ちょっと包み込むようなやさしさの感じられる意味合いが主流になっているようだ。

 器用に場もわきまえて使い回すこともできる。「あそこへ行ってはいけません」と伝えたいとすれば、普通なら、「あこ(あそこ)へ行ったらあかんえ」という。これを人前で少し丁寧な言い方にする場合、「あかんえ」は「あきまへん」となり、さらに丁寧にするならば「あかしまへん」という風に変化していく。近畿圏や北陸でも「あかん」を微妙に言い換えて使っているので、その言い方で出身地がなんとなく想像できるものである。

 

   

京都の暮らしことば / 池仁太   



 いまやアメリカと並ぶサプリメント大国日本。ダイエットから生活習慣病、がんにまでいいというサプリが氾濫し、サプリメーカーは大繁盛だが、薬事法違反の疑いがあったり、効能に疑問符が付くものが多いと『週刊文春』(7/17&7/24号、以下『文春』)が検証特集をやっている。

 まずはダイエットサプリといわれる「フォルスコリ」「防風通聖散」「L-カルニチン」「ギムネマ」「カテキン」「αリポ酸」について。身も蓋もない言い方になるが、これらの多くは研究データがないか、あっても有効であるというお墨付きのないものばかりである。

 「フォルスコリ」は「ダイエットサプリの成分としてはまだまだ『未知のもの』だと考えた方がいい」(中野サンブライトクリニックの大竹真一郎院長)。発売元のDHCの広告にも「食事はDHCプロテインダイエットにおきかえて」「油を控えて野菜や魚を中心に」とあるそうだから、運動や食事療法を取り入れなくては痩せられないようである。

 「防風通聖散」は漢方薬としてはポピュラーなものだそうだがやせ薬ではなく、高血圧やのぼせの改善薬だそうだ。「尿や便、汗といった体内にある余分なものを積極的に排出させ、便秘などが解消されるので、その結果として体重が落ちているのではないでしょうか」(日本薬科大の丁宗鐵(てい・むねてつ)学長)。だが漢方というのは専門医が患者の体質や症状を見極めた上で処方するものだから、水太りの人が飲むと下痢などの原因になるそうだから注意を。

 「L-カルニチン」は脂肪を燃焼させる効果があると人気のようだが、吉備国際大学の金沢和樹教授に言わせれば「体内で年齢に応じて必要なだけ合成されますし、普段の食事からも十分補給できています」。それよりも脳梗塞や心筋梗塞などの治療に使われるワルファリンなどの抗血栓薬と同時に服用すると出血や痣(あざ)ができることがあるという。

 「ギムネマ」は糖質を抑える効果があるというので発売から14年で3000万個も売れたそうだ。中国や台湾、インドで自生するツル性植物の葉に含まれる成分で、小腸内でブドウ糖の吸収を抑制するとされ、中国やインドでは古くから民間療法で糖尿病の治療に使われてきたそうだ。

 これも人における肥満抑制効果の有効性については十分なデータがないというが、「ダイエット効果を狙うなら、食前に飲むのがいいのでは」と金沢教授が言っているから、ある程度の効能はあるのかもしれない。

 この中では「カテキン」の評価が高い。金沢教授は、食事をするときなどは血糖値が急激に上がりインスリンが分泌され、血中の余分なブドウ糖が脂肪細胞に取り込まれるが、カテキンはそれを抑え込み、代わりに筋肉細胞がブドウ糖を取り込むのを促進させるから、脂肪を蓄えるのを防ぎ、糖尿病予防にも効果的だという。

 だが、一度に多くのカテキンを摂取すると胃を痛める可能性があるから、緑茶を日に4、5杯飲めばいいそうだ。

 「αリポ酸」も燃焼系で体内にはごく少量しか存在しないが、大竹院長が言うには、もともとごく少量しか身体が必要としていないのだから、サプリを飲んでも吸収されないそうだ。

 ダイエット効果は期待薄のようだが、アンチエイジングなどに効果があるといわれる「コエンザイムQ10」はどうか。疲労回復や風邪の予防にもいいようだが、「毎日飲むよりは、3日に1度、少し多めの100ミリグラムを摂るのが一番おすすめ」(金沢教授)だというから、これは効果ありということのようだ。

 私も一時飲んでいた膝の痛みなどにいいとされる「グルコサミン」「コンドロイチン」はどうか。これは「経口で摂取しても効果はありません」(金沢教授)とにべもない。

 中性脂肪から認知症にもいいという「DHA」「EPA」は、中性脂肪には効果があるようだ。「一日あたり、DHAとEPAを合わせて200~500ミリグラム程度」(島根大学医学部の橋本道男准教授)摂ったほうがいい。あまり安いものは避けたほうがいいようだが、ちなみにニッスイのものは1か月分860ミリグラムで9000円もする。

 目にいいとされる「アントシアニン」は必要な分だけしか摂取されないため、たくさん飲んだからといって効果が出るわけではないらしい。

 ビタミン剤の最古参「ビタミンC」だが、これは効果あり。だが国内大手メーカーのものを選択するべきだそうだ。

 『文春』を読む限り、当然だが高いサプリをわざわざ買わなくても、食事や適度な運動をしていればいいようだ。

 しばらく前に信頼できる医者にサプリは飲んだほうがいいかと聞いたことがある。すると彼は、おまじないとしてなら飲んでもいいが、できるだけ安いものを買うことだと言った。以来サプリは100円ショップで買うことにしているが、効果のほどはわからない。

元木昌彦が選ぶ週刊誌気になる記事ベスト3

 今週は話題の人たちの内緒話を3本集めてみた。困ったちゃんあり、ホロッとさせる話あり。ごゆるりとご堪能あれ。

第1位 「辞任勧告スクープ 石原伸晃 英霊が眠る海でシュノーケリング三昧」(『週刊文春』7/24号)
第2位 「中山美穂は息子10歳を捨てたのか?」(『週刊文春』7/24号)
第3位 「球宴辞退で闘病中 『星野仙一』楽天監督の入院ベッドで入籍をせがんだ女性」(『週刊新潮』7/24号)

 第3位。病気のため入院・休養中の楽天・星野仙一監督(67)だが、入院中に「入籍をせがんだ女性がいた」と『新潮』が報じている。
 星野氏は17年前に奥さんを白血病で亡くしていて独身。球界を代表するモテ男だから、これまでも多くの浮き名を流してきた。
 都内に入院しているとき、付き添っていた50前後の女性がいたが、その女性が意を決して涙ながらに入籍をせがんだというのだ。だが、星野氏は「妻のこと考えると、籍を入れるわけにはいかない」と断ったそうである。
 娘たちが強く反対したということもあったらしいが、彼女は入籍を諦めざるを得なかったようだ。どんな関係かはわからないが、60男に50女。日吉ミミの唄のように「恋人にふられたの よくある話じゃないか」というわけにはいかないのだろう。

 第2位。女優・中山美穂(44)が作家でミュージシャンの辻仁成(54)と離婚したが、子どもの親権は辻がとり、美穂は年下の男に入れあげていると『文春』が報じている。 美穂がぞっこんなのは渋谷慶一郎氏(41)で音楽家、妻とは死別したそうだ。初音ミクのオペラをパリで成功させたり、電子芸術の国際コンペで栄誉賞を受賞するなど、いま注目されている人物だという。
 昔から美穂は惚れると周りが見えなくなるタイプ。だが渋谷の母親は二人の付き合いを快く思っていないように見える。それはこんな発言にうかがうことができる。

 「私は『フランス式にパートナーとして一緒に暮らせばいいんじゃない』と言ったんですよ。(中略)『あなたはさっぱりしている性格だから、歳を取って、若い子を好きになった時に別れるのが簡単だから、その方がいいわよ』と伝えました(笑)」

 母親の名しかなかった母子手帳。幸少ない子ども時代を送った彼女。恋愛にのめりこみ、ようやくつかんだ幸せを自らの手で断ち切った。そしていまの恋も風前の灯のような気がする。女優業もイメージダウンで黄信号だ。不器用な美穂を抱きしめてやりたくなってきたな。向こうは嫌がるだろうけど。

 今週の第1位は、ウンザリするという言葉がピッタリのこの人のスキャンダル。『文春』が報じている石原伸晃(のぶてる)環境相(57)がまたまた外遊先で遊びまくっていたという話である。
 昨年6月に国際会議に出席のため沖縄を訪問した際、座間味島近海で「サンゴの回復を確かめる」と称してダイビングを楽しみ、7月には欧州3か国を外遊したが、フランスでは公務は1件だけ、2日目にはボルドーを訪ねて大量のワインを購入した。
 こうした優雅な外遊が「金目」発言とともに問題視され、不信任案採決までいったが、「ダイビングはしていません」と言い張りかろうじて不信任を逃げ切ったのに、またである。
 今度は世界有数のダイビングポイントのあるパラオ共和国を今年1月11日から15日まで訪問し、その間に寸暇を惜しんで(?)ダイビングではなかったがシュノーケリングに興じたというのだ。

 「帰国前日の14日にも、地元ツアー会社が石原氏のために船を出しました。その日は、石原さんが公務の途中で『やっぱり海に行ってシュノーケリングがしたい』とのことで、公務を切り上げて海へ向かいました」(パラオのツアー会社幹部)

 しかしその場所がいけなかった。パラオ近くのペリリュー島だったのだ。この島では第二次大戦中に日本軍と米軍との間で死闘が繰り広げられ、日本軍約1万人のうち生存したのはたった120人ほどだったという。
 この島を慰霊に訪れたいと天皇陛下が訪問を強く希望されている、いまだ2500柱の遺骨が残っている歴史的な場所である。
 まさか石原氏はシュノーケリングをしながら追悼したとでもいうんじゃないだろうな。またこの時期は中間貯蔵施設について地元に説明に行くべき時期だった。大臣がやるべき仕事をせず、海遊びをしていたのでは大臣失格だが、こうした人間には蛙のつらに小便であろう。
 『文春』は自民党が驕っているからこういう輩が跋扈(ばっこ)するのだと言っているが、その通りだ。
   

   

読んだ気になる!週刊誌 / 元木昌彦   



 『ヒルナンデス!』(日本テレビ)などテレビでも取り上げるようになった「セルフリノベーション」は、よく「DIY(do-it-yourself)型のリフォーム」と説明される。業者に依頼するのではなく、部屋の持ち主が主体的にイメージをかたちにしていく。テレビ並みの「大改造」を行なう猛者もいるが、「できる範囲」でも楽しさはあるはず。賃貸住宅の場合は、はがしやすい壁紙を用いるなど、それぞれの住まいに応じたテクニックがある。女性が扱いやすい道具も出てきているので、必ずしも「大仕事」ではない。一般に男性より内装にこだわる女性にとって、敷居はだいぶ低くなったと言える。また、何より魅力なのは「低コスト」という点だ。

 このトレンドは、住宅業界もよく理解している。最近では、改装した室内を元に戻す義務がないだけでなく、改装中の賃料がいらない「DIY賃貸」「カスタマイズ賃貸」というのがセールスポイントにもなっているとか。大げさに言えば、本当に住みたい部屋は、自分で作り上げるしかない。ライフスタイルにこだわるタイプには、選択肢の一つとなるだろう。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 「高齢になっても、人の手を借りずに自立した暮らしを送りたい」

 誰でも思うことだろう。だが、そんな願いとは裏腹に、年を重ねれば体力は衰え、少しずつできないことが増えていく。

 戦後、日本人の平均寿命は飛躍的に伸びて、2010年は男性が79.55歳、女性が86.30歳。しかし、病気をしたり、介護サポートを受けたりせずに日常生活を送れる健康寿命は、男性70.42歳、女性73.62歳だ。平均寿命との差は、男性が約9年、女性が12年で、この間は子どもも親に対して何らかのサポートが必要になることが多い。

 高齢の親に必要なサポートとして真っ先に挙げられるのは介護だが、同時に問題となっているのが「親家片(おやかた)」だ。「親の家を片付ける」の略語で、シニア女性向け雑誌の『ゆうゆう』(主婦の友社)が、読者の実体験から高齢の親の家の片付けの深刻さをレポートして話題となった。

 「どうして親の家は、こんなにたくさんのモノがあふれているのか」と思う人も多いのではないだろうか。現在、70~80代の人々は高度経済成長期に家庭を持ち、モノを持つことに豊かさを見出してきた世代だ。そうでなくても、数十年という年月を経れば、どんな家でも少しずつモノは増えていく。

 一方で、高齢になって体力や気力が落ちてくると、家の片づけをするのが億劫になり、掃除も行き届かなくなるものだ。モノに囲まれ窮屈そうに暮らす親を見かねて、よかれと思って親の家を片付けようとしたところ、親にはそれが気に入らない。子どもにはガラクタに見えても、親にはそのモノに対する思い入れもある。子どもの都合で厄介払いをされるような気持ちになるため、「親家片」は一筋縄ではいかないのだ。

 また、親が介護施設に入所したり、認知症を発症して自分で家を片付けられなくなったりした場合は、好むと好まざるにかかわらず、子どもたちにその家の片付けが託される。また、親の死亡後に「親家片」をしなければならないこともあるが、子どもの側から見ても、モノは親との思い出そのもの。その思い出を処分することに後ろめたさを感じることもある。

 同じモノの整理でも、「断捨離」は自らの意思で不要なものを捨て、スッキリした気持ちで新しい生活に向かうため、その先に明るい未来が見える。だが、「親家片」は、いずれ迎える親との別れの準備ともいえる。モノを通して親との日々を振り返り、親と向き合う時間そのものだ。たんなるモノの片付けではないため、頭では整理が必要だとわかっていても、親も子どもも簡単には進められないのだ。

 「親家片」を経験した人の多くは、その片付けの大変さから、「モノを持たなくなった」「新しいモノを買わなくなった」と、急速にモノへの執着を解いていく。そして、体の動くうちに自分で片付けておこうと思うようになるという。

 たとえ見ないふりをしていても、いずれ「親家片」しなければならない日はやってくる。 高齢になればなるほど、家の片付けは厳しくなる。ならば、親が元気なうちに時間を作って、親の意思を尊重しながら「プレ親家片」を始めておきたいものだ。それは、モノの片付けを通じて、もう一度、親子関係を問い直す人生においての重要な作業なのかもしれない。
   

   

ニッポン生活ジャーナル / 早川幸子   



 赤いリップ、少しレトロなワンピース、もしくはボーダートップス&ショートパンツに、ペタンコ靴。こうしたファッションの女性が増えている。オジサンの場合は、ほかのガーリーな装いと区別がつかないかもしれないが、当人たちは明らかに「ある歌手」を意識している。それがアメリカのカントリーミュージックシンガー、テイラー・スウィフトだ。グラミー賞も受賞した売れっ子で、おしゃれなのに活躍するジャンルが「カントリー」というギャップも、もはや魅力である。

 彼女の影響を受けている「テイラー女子」は、単に流行を追っているのではない。テイラー・スウィフトの顔は、外国人としては比較的「彫りが浅い」。さらに、海外のセレブにありがちなゴテゴテとしたメイクを好まない(ゆえに赤い口唇がワンポイントとして印象的だ)。日本人的なメイクの要領、さらにそのメイクに合ったファッションを考えるとき、テイラー・スウィフトを参考にするのはベターな選択といえそうなのだ。ちなみに経済誌『フォーブス』で、「最も稼いだセレブランキング」常連の彼女だが、プライベートでもゴージャスな服とはあまり縁がないという。いたずらにお金をかけずに個性を発揮するところも、ファッションリーダーたるゆえんだ。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 野々村竜太郎・兵庫県議(7月11日辞職)の不明朗な政治活動費が問題となり、にわかに注目を浴びているのが「政務活動費」である。新聞報道によると、野々村氏は年間195回も日帰り出張し、費用約300万円を政務活動費からあてていた。ところが、その訪問内容や目的が明らかでなく、実際に出張していたかどうか、疑いがもたれている。切手代として多額の費用も政務活動費として受け取っていた。

 政務活動費は、議員報酬とは別に公費から交付されており、東京都議会の場合、議員1人あたり月額60万円。かつては政務調査費と呼ばれ、調査研究費としてあてがわれてきたが、2012年の法改正で、名称を政務活動費と変え、陳情など議員活動にも支出が認められるようになった。

 政務活動費をめぐっては、旧政務調査費の頃から各地の地方議会で不明朗な受給が発覚するケースが後を絶たない。たとえばポルノ雑誌の購入やテーマパークの「視察」に使われたこともある。

 議会事務局がチェックするのだが、これがユルユルであるとの批判が少なくない。

 議会事務局の職員は、そのほとんどは首長部局からの出向組だ。事務局が不正受給に甘いのは、背景に「出向から戻ったら、チェックした議員に、議会の質疑などでネチネチ仕返しされるのを恐れている」(地方議員経験者)ことがあるという。

 地方議会は襟を正して不正受給を絶つ規定を作るべきだ。第三者による監査機関を設けたり、収支報告書、領収書のネット公開などを検討すべきではないか。

 メディアも自治体議員の政務活動費について調査報道を行なったらどうか。兵庫県議会では、野々村氏以外にも不自然な切手購入などを指摘された議員がいるが、きちんと調べ、納税者に知らせるべきではないか。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   



 昨年、日本中を感動の渦に巻き込み、今年から海を渡ってメジャーリーグでもシーズン前半に大車輪の活躍を果たし、大車輪で働きすぎちゃったがゆえの肘の故障が危ぶまれる、ニッポン一の孝行息子・マー君こと田中将大(25)だが、同じ「まーくん」と呼ばれる孝行息子が実在することを皆さまはご存じだろうか?

 正式名称は「音声認識人形・おしゃべりまーくん」で、本物の子どもの声を使った、双方向の会話ができる音声認識・孫型ロボットのこと。話す内容は700ワードほどで5歳のやんちゃな男の子をイメージしたロボットが、なぜ「孫型」なのかといえば、ユーザーの大半が意外にもシニア世代や一人暮らしの高齢者で、そんな彼ら彼女らが“孫代わり”に愛用しているから。なんでも独り言や行動を促す呼びかけが脳を活性化させ、介護・認知症の予防にも効果があるのだそう。

 販売価格は18,000円(税別)と少々高めであるにもかかわらず、いまこの孫型ロボットが飛ぶように売れているという。まだ「まーくん」は、いかにも人形っぽい可愛らしい外見だからいいけど、コレがいずれ、よりリアルさを増していけば……高齢化社会のアダ花どころか、映画『ブレードランナー』のレプリカントあたりの話がいよいよ現実味を帯びてきて、少々不気味な気がしないでもない。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


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