福島第一原発事故後に日本各地で起こっている反原発・脱原発デモの一つ。2012年3月29日から毎週金曜日の夜に、東京・永田町の首相官邸前で原発の再稼働反対などを訴えている。主催しているのは特定の政治団体などではなく、首都圏で反原発・脱原発を訴えて活動をしている市民団体によるネットワークで、会社帰りのサラリーマンや子連れの母親のグループなども参加している。
 当初、300人程度だった参加者は、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルネットワークを通じて回を追うごとに増加。福井県にある大飯原発の再稼働を直前に控えた6月29日には主催者発表で20万人(警察発表2万人弱)が参加した。7月29日には、キャンドルやライトを手にした参加者によるヒューマンチェーンで国会を包囲した。国会正門前の車道には人があふれ出し、上空からリポートしていた市民メディアOurPlanet-TV代表の白石草(しらいし・はじめ)氏は、「歴史的瞬間に立ち会った」と表現した。
 こうした動きを背景に、デモの主催者は8月22日官邸で野田佳彦首相と面会し、「大飯原発の再稼働中止」「全原発廃炉への政策転換」などを直接訴えた。しかし、要求は受け入れられず、会談は30分で終了。抗議行動はその後も続行されている。

 

   

ニッポン生活ジャーナル / 早川幸子   


早川幸子(はやかわ・ゆきこ)
水曜日「ニッポン生活ジャーナル」担当。フリーライター。千葉県生まれ。明治大学文学部卒業。編集プロダクション勤務後、1999年に独立。新聞や女性週刊誌、マネー誌に、医療、民間保険、社会保障、節約などの記事を寄稿。2008年から「日本の医療を守る市民の会」を協同主宰。著書に『読むだけで200万円節約できる! 医療費と医療保険&介護保険のトクする裏ワザ30』(ダイヤモンド社)など。
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