米軍の新型輸送機。特徴は飛行機とヘリコプターの機能を併せ持つことだ。離着陸する際は、回転翼を上向きにすることでヘリのように垂直に動き、ホバリング(空中停止)も可能。通常飛行は回転翼を前向きにした固定翼で行なう。ちなみに、愛称のオスプレイは猛禽類のタカの一種、ミサゴの意味である。
現在運用している回転翼機CH46ヘリを性能面で圧倒し、飛行時の最大速度が2倍(時速519キロメートル)、搭載量は3倍(9072キログラム)、航続距離は4倍(1389キロメートル)。空中給油も可能だ。
米軍は沖縄の米軍普天間飛行場に、2012年から2年をかけて計24機を駐機する予定。しかし、開発段階から墜落事故が相次いだため、沖縄はもちろん、飛行訓練を行なう本土各地でも配備に対し、不安が広がっている。
こうしたことから政府は防衛省の調査団を米国に派遣。そのうえで9月19日、「安全性は十分に確認された」とする安全宣言を発表した。
オスプレイの沖縄配備は、その優れた能力から在日米軍の抑止力強化につながることが期待されている。尖閣諸島(同県石垣市)の国有化をめぐり、日中間に緊張が高まっているが、普天間飛行場から約400キロの尖閣諸島は作戦行動範囲内にある。