『週刊ポスト』(10/26号)が「女子アナ大量退社止まらない」と報じて話題になった。同誌によれば、TBSの看板アナだった青木裕子アナが「ナインティナイン」の矢部浩之との結婚準備のために今年末退社する予定だが、いちばんの理由は会社に対する不満だとTBSの社員が語っている。
「馬車馬のように働かされて、それでも給料は安くなる一方。労組と会社がもめて、冬のボーナスが越年するなんて毎年の恒例行事になってますから」
山田愛里、竹内香苗も辞めたTBSだけでなく、各局の看板アナが雪崩をうって退社しているのだ。一昨年「実質給与3割カット」して年収700万クラスになったといわれる日本テレビでは西尾由佳理、夏目三久、宮崎宣子が辞め、女子アナ王国といわれたフジテレビも中野美奈子、平井理央が退社し、比較的退社が少ないのはテレビ朝日だけという惨状。
『週刊文春』(10/25号)も、年間視聴率三冠王を日本テレビに奪われ、今年になってテレビ朝日にも抜かれて3位に転落したフジテレビを取りあげ、「フジテレビはなぜ“時代遅れ”になったのか?」を特集しているが、そのなかで女子アナも人材不足だと嘆いている。
「最近、フジの女子アナの話題は番組関連ではなく、プライベートの男の話題ばかり。八月には『ニュースJAPAN』のキャスター秋元優里アナが後輩の生田竜聖アナとハワイ旅行していたことが発覚。(中略)九月には松尾翠アナが福永祐一騎手とのデート&お泊りが見つかった。現在の一番人気は加藤綾子アナですが、今ひとつ伸び悩んでいる」(芸能プロ関係者)
女子アナがアイドル化したのは有賀さつき、河野景子、八木亜希子のフジテレビ「花の三人娘」が出てきたころからではないか。私が『フライデー』編集長のとき(1990~92年)には、女子アナのセクシー&ツーショットが大きな売り物だったことを覚えている。
スターになることが約束され、人気タレントと知り合え、玉の輿(こし)に乗るチャンスのある女子アナは、いまでも憧れの職業である。だが、彼女たちを「あらゆる番組に使えて出演料のいらない使い捨てのお人形」と考えているテレビ局のやり方に、彼女たち自身が「反旗」を翻し始めたのだ。それが昨今の大量退社の背景にあるのではないか。
給与のダウンがそれに拍車をかけた。金の切れ目が縁の切れ目は、女子アナの世界でも同じようだ。