10月1日、日本でも「地球温暖化対策のための税(環境税)」が新たに導入された。
 地球温暖化のおもな原因は、発電や車の走行などで化石燃料をエネルギーに変えるときに排出される二酸化炭素(CO2)の増加だとされている。温暖化はオゾン層の破壊につながるとも言われており、その対策が世界規模で急がれている。
 環境先進国のスウェーデン、オランダ、ドイツなどでは、すでにCO2排出削減を進めるための環境税が導入されている。2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指す日本も、その対策の一環として石油、天然ガス、石炭などの化石燃料の利用に対して課税することになったのだ。
 環境税額を納めるのは業者だが、増税分は消費者が支払う電気やガス、ガソリンの料金に上乗せされる。具体的な納税額は、電気やガスの使用料、自動車の有無などによっても異なるが、一般的な家庭の負担は、2016年4月以降は月100円程度になると試算されている。ただし、税額は3年半かけて3段階に分けて引き上げられるので、2012年10月から半年間は月30円程度だ。
 集めた税金は省エネルギー対策の強化、再生可能エネルギー導入の推進など、地球温暖化対策のために活用される予定。ただし、税負担が重くなる経済界からは撤廃を要求する声もあがっている。

 

   

ニッポン生活ジャーナル / 早川幸子   


早川幸子(はやかわ・ゆきこ)
水曜日「ニッポン生活ジャーナル」担当。フリーライター。千葉県生まれ。明治大学文学部卒業。編集プロダクション勤務後、1999年に独立。新聞や女性週刊誌、マネー誌に、医療、民間保険、社会保障、節約などの記事を寄稿。2008年から「日本の医療を守る市民の会」を協同主宰。著書に『読むだけで200万円節約できる! 医療費と医療保険&介護保険のトクする裏ワザ30』(ダイヤモンド社)など。
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