「魚離れ」を食い止めるため国が主導する「『魚の国のしあわせ』プロジェクト」。「ファストフィッシュ」の動きに関しては以前お伝えしたとおりだが、そのほかにもさまざまな取り組みがある。魚を食べるのは日本の「文化」。魚を食卓に引き戻すだけでなく、連綿と続いてきた文化への関心を高めたいという水産庁の考え方がある。そこで、魚食の伝道者に水産庁長官がお墨付きを与えるという制度が「お魚かたりべ」だ。
その顔ぶれは、大学の先生から漁業関係者、水産会社のトップなどさまざま。プロジェクトを組む前から、子どもに魚のよさを伝える活動を続けていた「かたりべ」も多い。2012年11月に初回の34人が任命され、その後も追加されている。「実物を見ても何という魚か答えられない」「料理のコツが肉と比べてわからない」といった昨今の家庭の現状からの脱却をはかれるだろうか。ひとつの成果を得た「ファストフィッシュ」よりも今回は地道なプランとなるが、各方面からの期待は高い。