サドガエルは新潟県佐渡島の固有種だが、田んぼでよく見られるツチガエルにそっくりなため、「発見」が遅れていた。国際的に新種と認められたのは、2012年12月、動物学誌『Zootaxa(ズータクサ)』電子版に論文が掲載されてから。日本でカエルの新種が発見されたのは(未知の種が多い南西諸島以外では)実に22年ぶりという。
発見といっても、1997年にはすでに、新潟大学の関谷國男(せきや・くにお)氏によって佐渡のツチガエルとの差異が見出されていた。以降、遺伝子解析などが進み、晴れて新種として認められることに。佐渡に固有の種はいないという認識をくつがえした。体長4~5センチで、腹が黄色い、「ギューンギューン」という独特の鳴き声を発する……などの特徴を持つ。このサドガエル、実は絶滅の危機に瀕(ひん)したトキの大好物。トキが繁殖した未来はカエルにとって受難かもしれないが、まずは共存共栄できる自然環境が望まれるところだ。