メディアはあまり書き立てていないが、永田町で、国民の政治不信を増幅する出来事が起きている。衆院定数削減問題の棚ざらしだ。
自民、公明、民主3党は昨年11月、現在、480ある衆院定数の削減について合意した。2014年4月の消費税率引き上げを控え、「増税を国民にお願いする手前、議員も自ら身を切る必要がある」からだ。
定数削減は、衆院解散の条件ともなり、3党は「2013年通常国会終了までに結論を得た上で法改正を行なう」との約束を取り交わし、同年12月に総選挙が行なわれた。
しかし、通常国会開幕後、定数削減に向けた政党間の協議は遅々として進んでいない。2月22日に3党の幹事長がこの問題で話し合ったが、前述の合意を再確認しただけに終わった。
新聞報道によると、会談終了後、自民党の石破茂幹事長は記者団に「法改正も今国会中にできればベストだが、3党だけでは決められない」と語り、公明党の井上義久幹事長もこれに同調したという。
そもそも自公両党は、先の衆院選の政権公約で定数削減を唱っていたはずだ。民主党は「3党合意は衆院を解散させるための方便だったのか」(細野豪志幹事長)と反発しているが、当然だ。
「公約破り」「国民騙し」などと後ろ指を指されないよう、両党は定数削減に向けた議論を主導すべきである。