セクハラ・パワハラなど、権限を笠に着た行為は職場にとって大きなマイナスだが、ハラスメントをしている本人に自覚がないという場合、問題をややこしくする。最近とみに語られるようになった「ソーハラ」もまた然り。「ソーハラ」の「ソー」とは、FacebookやTwitterなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のこと。典型的な例が上司からの「友達申請」。基本的に「身内」だけを相手にしているSNSという空間では、上司は「招かれざる客」となる場合が少なくない。
ささいな会社への愚痴も書けないようでは、(もともと不用意な投稿を避けるべきとはいえ)ガス抜きとしてのSNSの存在意義も失われてしまうだろう。さらには、「プライベートも監視されている」「興味がないつぶやきに『いいね!』を強要される」と感じてしまう向きもある。上司にしてみれば軽いコミュニケーションツールのつもりでも、部下にとっては悩みの種になっているのだ。こうした認識のずれは、いかんともしがたい。会社で上にいるような世代は、ネット上の住み分けの感覚が希薄で、残念ながらなかなかその溝を埋められないのである。