最近の観光協会は発想が柔軟になったというべきだろう。以前に「香川県をうどん県に改名する」という「演出」が注目されたが、これと同様の手法に、「自治体の中に架空の地名を置く」というものがある。福岡市の「カワイイ区」が有名だ。男女差別の助長に当たるという意見を受けて、AKB48の篠田麻里子「区長」が退任するという一幕があったが、それまでの広告効果を高く評価する意見も多い。
ユニークなものは、滋賀県湖南(こなん)市で設定されているネコたちの仮想都市「こにゃん市」。谷畑英吾(たにはた・えいご)市長の発案によるもので、動物愛護と市のPRを兼ねている。「市議選」のかたちで、動物保護管理センターで保護されたネコたちの引き取り手を募集しているのは温かいアイディアだ。ちなみに、かつてはイヌの「こわん市」もあったが、こにゃん市に「合併」した。2013年で第3回を迎える「市長選挙」では、市内在住のネコ・イヌたち(の飼い主)が立候補して、公式サイト上で投票が行なわれた(市長選の結果は、ネコではなく、イヌのひなたが当選)。