「究極のエコカー」といわれる燃料電池車への注目度が高まっている。国内での一般向け発売が迫っているからだ。トヨタ、ホンダの両社は2015年、日産は2017年に販売開始を予定している。
燃料電池車の動力は、水素と空気中の酸素を化学反応させ、生じた電気で駆動モーターを回転させることで得られる。燃料は水素。1回の水素注入で500キロメートル以上は走行できる。排出するのは水だけ。二酸化炭素は一切発生しない。
気になる一般への売り出し価格は、安くても500万円台と想定されている。かつては千万円台だったが、ヒト桁安くなって国産高級車クラス並にまで落ちてきた。それでも庶民には高根の花かもしれない。
価格とともに、普及に向けて課題なのが、燃料の水素を補給する「水素ステーション」を増やすことだ。4月19日、神奈川県海老名市のガソリンスタンドに水素ステーションがオープンしたが、まだ国内17か所目にすぎない。政府は補助金制度を設けて2015年までに国内の水素ステーションの数を100か所に増やす方針。
燃料電池車の世界市場は2025年度に3兆円近くに達するという数字もある。