東日本大震災と原発事故は、福島県の農業にあまりに厳しい試練をもたらした。消費者は食の安全を信じ切れずにいる(リスクをどう考えるかは人それぞれだが、事故があった福島では、どの自治体よりも我が身の調査が細かいという点は押さえておくべきだ)。県では、農産物のモニタリングの結果をくわしく調べることができるサイト「ふくしま新発売。」を運営するなど、福島産の信用回復に懸命に取り組んでいる。にもかかわらず、2012年度にいたっては前年度(震災1年目)よりも大きく値崩れしたという報道があった。
それでも福島はあきらめない。取り組みの一つに「Fukurumカード」がある。福島県、福島県観光物産交流協会、日専連ライフサービスが連携して誕生したクレジットカード。買い物をすれば、売り上げの一部が福島の風評被害への対策や名産品の振興に使われるというアイディアだ。
「Fukurum」とは福島の「フク」とスクラムの「ラム」から来ていて、みんなでスクラムを組んで頑張ろうという意味のほかに、明るい未来や夢が「膨らむ」という意味も込めている。