「リボン宿ネット」は略称で、正しくは「ピンクリボンのお宿ネットワーク」。2012年7月に発足した。「ピンクリボン」とは、乳がん検診の早期受診などを啓発するキャンペーンのシンボルである。日本では毎年5万人以上の女性が乳ガンになるといわれている。残念ながら切除に至った場合、手術に成功しても、乳房再建を選ぶのは少数派だ。高額の治療費を払うのは、ほとんどの女性にとって現実的ではない。
そんな現状の中、術後の傷を気にして旅行に行かなくなった女性たちに、ホテルや温泉宿を楽しんでほしいという取り組みが「リボン宿ネット」。加盟する宿では、浴場の脱衣所や洗い場に仕切りを設けるなど、気兼ねのない入浴に配慮する。宿の情報をまとめた冊子は全国の病院などで手に入り、希望者には送料だけで送ってもらえる。湯の癒やしをあまねく女性たちに楽しんでほしいという思いがこもった、おもてなしの国であるニッポンらしいニュースだ。