通常国会で6月、「いじめ防止対策推進法」が成立した。新法は、いじめについて、「児童、生徒が心身の苦痛を感じているもの」と定義。暴力行為やインターネットを通じた中傷もいじめの範疇に入るのがポイントだ。そのうえで、「児童等は、いじめを行ってはならない」と明確にいじめを禁じた。
具体的な防止策としては、学校や自治体に相談窓口の設置を求めたほか、各学校に複数の教職員、カウンセラーなどの専門家による対策組織を置くことを命じた。防止策の実効的な運用を促すことに狙いがある。
実際、いじめが起きた場合は、学校に調査組織を設け、調査結果を被害者側や自治体に報告するよう義務づけた。悪質なケース、つまり犯罪行為として判断される場合は、警察署と連携するよう規定。生命や、身体などに重大な被害が生じる恐れがあるときは警察に通報しなければならない。
新法は、今秋にも施行される。
いじめはずっと以前から社会問題化しているのに、どうしていままで防止する法律がなかったのか。行政や立法府の怠慢と言わざるを得ない。