ホワイトカラーと呼ばれる一部の事務職を法定労働時間(1日8時間・週40時間)の規制の適用外とする制度。第1次安倍内閣時代(2006~07年)に一度は検討されたが、労働界などの反発で、導入が見送られた経緯がある。
それが安倍政権の復活に合わせて再び導入が検討されだしたという。この8月、一部新聞メディアが報じた。
産経新聞などによると、「年収800万円超の課長級以上」の社員を想定、一部大企業への試験的導入を認め、その上で対象を拡大していくという。発信源は政府の産業競争力会議や規制改革会議らしい。
WEの利点は「自身の判断で働きやすい時間に働くことができる」ということだ。前回、導入が検討されたとき、旗振り役だった日本経団連は「頭脳労働では、調子が上向いた時に集中的に働く方が効率的。本人の達成感や満足感も高くなる」と提唱した。
ただ、同制度が別名「残業代ゼロ制度」と言われるとおり、「要は企業の生産性を挙げるのが狙い。サービス残業の合法化につながる」との懸念は払拭されていない。
国会で導入の是非をしっかり議論してほしいが、労働界(連合)を有力支持母体に持つ民主党が、衆院、参院両選挙で大敗したことが、どう影響するか。