政府は自衛隊から外務省職員として在外公館に出向している「防衛駐在官」を2014年度から増員する。
防衛駐在官の主な業務は軍事情報の収集で、自衛官の制服を着用して執務にあたっている。
防衛省のホームページによれば、2013年7月現在で世界38か所の在外公館に計49人が派遣されている。一佐クラスを中心に配置している。
現在の派遣先は、米国の6人、ロシア、中国、韓国が3人、それ以外は各1人。新たに、アルジェリア、モロッコ、ナイジェリア、エチオピア、ケニア、ジブチ、南アフリカなどアフリカ7か国、南米のブラジルにも新規に派遣するという。英、仏、独3か国にも追加で配置する。
増員のきっかけは、邦人10人が死亡したアルジェリア人質事件(2013年1月)だ。当時、日本政府は、現地で満足な情報を入手できず、対応に苦慮した経緯がある。
企業活動が国際化する一方で、テロへの対応がなっていないと批判されてきた日本だが、防衛駐在官の増員は、遅きに失したとの指摘がある。ただ、その一方で、「安倍政権の自衛隊の国防軍化に向けた動き」と警戒する向きもある。