消費税引き上げの議論にばかり目が行っているが、政府内で軽自動車への増税論も浮上しているという。
軽自動車は、一般的に排気量が660cc以下の車で、税制的に優遇されている。毎年の軽自動車税は乗用車で、7200円。これに対し、自動車税は、自家用小型乗用車の場合、1000ccで29500円、2000ccだと39500円もする。
軽自動車は税金だけなく、車体価格、燃料費(燃費)なども安い。そのため、国内新車販売台数(2012年)における軽自動車のシェアは36.9%まで拡大している。とくに地方で顕著で、長崎の54.9%を筆頭に7県が50%を超えた。
そこで増税論、である。
政府は、消費税が2015年秋に10%に引き上げられるのに合わせ、自動車取得税を廃止する方針だ。自動車取得税は地方税で、これが廃止されると1900億円(2013年度見通し)の税収が損なわれる。その穴埋めのため、同じ地方税である軽自動車税がターゲットになった。 軽自動車界は当然、反発している。業界のドン、スズキの鈴木修会長兼社長は8月末の記者会見で「弱いものいじめの最たるものだ」「残念というより、悲しいという一言に尽きる」と気色ばんだ。