NHKの連続テレビ小説『あまちゃん』の大ブレイクが、東北にもたらしたものは大きい。ロケ地となった久慈市では、観光客が引きも切らない。岩手銀行系のシンクタンク・岩手経済研究所の試算によると、『あまちゃん』による岩手県の経済効果は32億8400万円にも及ぶらしい。今回、岩手という地の魅力を知った人々が、リピーターになってくれることへの期待も寄せられている。
こうした状況を、安倍内閣の経済政策「アベノミクス」になぞらえて「アマノミクス」と呼んでいる。命名者は達増拓也(たっそ・たくや)岩手県知事とされる。知事は「東北復興平泉宣言」のイラストを漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木飛呂彦(ひろひこ)氏に依頼するなど、エンターテインメントに造詣が深い。「時事ドットコム」(時事通信社)に掲載された当人の弁によれば、「アマノミクス」も単なるもじりではないようだ。ヒロインのアキが海に潜ることでファンを獲得していった展開を踏まえ、「潜る」、つまり「地元に飛び込み、掘り下げる」という地域活性化の重要性を説いたものとなっている。