安倍晋三首相が、政権の外交・安全保障政策のキーワードとして盛んに用いているのがこの「積極的平和主義」。
その意味するところは「国際協調主義に基づき、積極的に世界の平和と安定に貢献する国にならねばなりません」(安倍首相、10月15日、臨時国会での所信表明演説)ということらしい。
日本が「一国平和主義」から脱し、国連の「集団安全保障」の枠組みに、これまで以上に積極的に参加していこうというわけだ。具体的には自衛隊による国連平和維持活動(PKO)などを念頭に置いている、とされる。
積極的平和主義をめぐっては、「集団的自衛権の行使」にまで踏み込んだ考え方だとの指摘もある。
集団的自衛権とは、同盟国が攻撃された際に、自国への攻撃と見なして反撃する権利のことを言う。政府は現在、憲法9条との兼ね合いから「国際法上権利は保有するが、憲法上、行使できない」との立場だ。安倍首相は集団的自衛権が行使できるよう、そうした政府の憲法解釈の見直しに強い意欲を示している。
安全保障は日本の行方を左右する重要な問題だ。国会でしっかり議論してほしい。