遠隔操作などにより、パイロットなしで飛行する。農薬散布や気象観測で活躍しているが、いま注目されているのは、偵察や爆撃など軍事面での活用だ。敵陣から撃ち落とされても人的被害がないため、各国がより高性能の無人機の開発に拍車をかけている。実戦の現場でも、米国はパキスタンやアフガニスタンなどでイスラム過激派の掃討に使っている。
今年9月、無人機をめぐって、日本政府が憂慮していた事態が起きた。沖縄県・尖閣諸島北方の東シナ海上空に中国軍の無人機が飛来したのだ。
事態を受け、防衛省は無人機が領空侵犯をした際の対応策をまとめる方針。だが、自衛隊機が緊急発進して、無線などで退去要請しようにもパイロットが乗っていないので、要請のしようがないのが実情だ。そのため、防衛省は侵犯した無人機を撃墜する措置を検討しているという。これに対し、中国側は「我々は必ず果断な措置で反撃する」と応じている。
中国の貪欲な「領土欲」に対しては毅然と対応しなければならないが、「日中間で偶発的な衝突が起こるとしたら無人機はその発火点になる可能性がある」との指摘もある。