歌手・バンドといった当たり前の「型」から解き放たれ、いま、音楽はある意味で「自由」になっている。2004年にメジャーデビューした「Sound Horizon(サウンドホライズン)」は、ミュージシャンのRevo(レヴォ)が主宰するプロジェクトで、歌い手などのメンバーが楽曲ごとに集められる。公式ホームページによれば、その作風は「物語音楽」。アニメさながらの幻想的なストーリーを、音楽によって展開する活動を行なっている。
この「Sound Horizon」が、ほかのゲームやアニメとコラボするときには「Linked Horizon(リンクトホライズン)」という名前を用いる。別世界と「リンクする」わけだ。知名度を上げたきっかけは、なんといってもアニメ『進撃の巨人』の主題歌『紅蓮(ぐれん)の弓矢』(後期テーマなどとともに、シングル『自由への進撃』に収録)だろう。それまで『進撃の巨人』に興味のなかったライトな層まで引き込む「神曲」で、ネット上でも熱く支持された。カラオケのJOYSOUNDでもいち早く対応、テレビのオープニング映像をそのまま(歌詞を入れず)配信した。一連の盛り上がりは、社会現象的に朝のワイドショーでも紹介されたほどだ。
そして大晦日のNHK『紅白歌合戦』、Linked Horizonは2013年の「アニソン(アニメソング)」を代表して参戦することになる。一般にはまだ耳慣れないアーティスト名に「いったい誰?」という声もあったそうだが、CDが売れないと言われて久しい現代、アニソンのセールス力はまさに「進撃」の度合いを増している。