俗に「ガシャポン」「ガチャガチャ」などと呼ばれるカプセルトイ。一般に1970年代に日本に広まったとされ、現在も子どもたちに安定した支持を受けているが、近年は大人の購入も増えているという。社会人となって自由になったお金を、比較的安価な玩具などのコレクションに費やす。これは、不景気で高級なものに手を出せない昨今ならではの消費行動といえるだろう(清涼飲料水の販促でボトルにフィギュアを付けたりするのも、この流れだ)。
「大人ガチャ」と呼ばれる、最初から子ども以外を対象にしたカプセルトイは、内容もアニメなどの関連商品ではなくて「ユニーク雑貨」の印象が強いものである。この分野で気を吐くメーカーが「奇譚クラブ」。コップに腰掛ける謎のOLさん『コップのフチ子』をはじめ、『江頭2:50ストラップ』『シリーズ生きる 土下座ストラップ』……。「稚気にあふれている」が、「子どもなら買わない(ユーモアがわからない)」、ビミョーな玩具のラインナップがウケている。
いまカプセルトイの自販機は、おもちゃ屋だけでなく、東急ハンズやヴィレッジヴァンガードなど、大人を意識した販路が増えている。個性的なものづくりを大事にする日本らしい文化といえるだろう。