赤ワインに含まれるイメージの強い「ポリフェノール」。心筋梗塞などを防ぐ抗酸化作用があるとされる。ゆえに、ワインを「健康的な飲み物」ととらえるフシもあるようだ。しかし、当然ながらポリフェノールはワインだけの成分ではない。たとえば、コーヒーにも赤ワインと同じぐらいのポリフェノールが含まれているのである。カフェインで胃が荒れるようなイメージがあるコーヒー(徹夜で飲むようなイメージとリンクしてしまうのだろう)だが、少なくとも、「体にいい・悪い」を単純化することはできない。
そもそもポリフェノールは、この名前の栄養物質があるということではなく、植物の光合成によって生まれる色素や渋み・苦味成分の総称だ(お茶の「タンニン」などが有名)。コーヒーに含まれるポリフェノールは「クロロゲン酸」など。コーヒーポリフェノールが2013年にクローズアップされたきっかけは、神戸大学名誉教授の市橋正光(いちはし・まさみつ)氏らが、肌のシミの原因・メラニンの生成を抑えることを確認したという、2013年3月の報道による。これまでにも、お茶の水女子大学教授の近藤和雄(こんどう・かずお)氏による「コーヒーを飲む人ほどシミが少ない」という報告があったが、これを裏付けるものだ。一日にコーヒー2杯以上で効果が見られるらしい。