仮想通貨「ビットコイン」に関心が集まっている。
インターネット上の新たな決済手段として米国を中心に急速に広まっている。「コイン」と名乗るが、文字通り「仮想」であり、実物の硬貨ではない。単位は「BTC」。現在の流通総額は日本円に換算して約1兆円。2009年ごろ日本人とおぼしき「サトシ・ナカモト」なる人物が考案したとされる。
ネット上の「取引所」に口座を開くことで円やドルと交換ができる。海外送金のほか、通信販売の代金支払いなどの決済手段に使える。欧米ではビットコインで支払いを済ませることができる飲食店も少なくない。投資目的に購入する人も多いという。その便利なところは手数料がほとんどかからないことだ。
問題点も浮かび上がっている。匿名で取引できることからマネーロンダリング(資金洗浄)に悪用されるケースが出てきた。各国の金融当局の管理の枠外で、取引ルールの整備も遅れており、利用はあくまで「自己責任」ということになる。2月には、日本の取引サイトが閉鎖し、換金・送金業務が一部停止する事態が発生し、取引への不安が広がった。
そうした懸念からか、ロシアや中国など、禁止や規制措置をとる国も出てきた。